2010.05.19
世界一のレフェリーから海外挑戦への助言
JBLファイナルとロマス氏に関するトピックス・その2。
国際大会やユーロリーグ等で、世界で活躍するたくさんのトッププレイヤーを見ている視点から、昨年のオールジャパンでの来日時に「日本選手の海外進出の可能性」についてロマス氏にインタビューした。そして、バッサリと斬られた。
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(一部抜粋)
「日本選手が海外に進出することも必要ですが、現状としては難しいと言えます。まず、サラリーの問題があります。仕事と同じで自分から売り込んだらサラリーは低くなるもので、海外ではオファーがあってこそ、高いサラリーをもらえるのです。
また、レベルが高い選手や望まれていく選手でないと、試合に出られるチャンスも少ないでしょう。日本選手がいくら海外に出たいと思っても、選手のレベルを最初に問われるのが世界の現状です。
現実的なのは、日本が2006年の世界選手権に向けてジェリコ・パブリセヴィッチ氏をコーチとして招いたように、いい経験を持っている海外のコーチを日本に呼んで、そのコーチに世界で通用する技量を指導してもらうことではないでしょうか。
確かに、日本は06年の世界選手権では予選リーグ敗退と結果を残せませんでしたが、私が世界選手権で日本を見たかぎりでは、確かなレベルの向上を感じました。
選手が海外進出する際、もうひとつ難しいのは生活面です。日本人が海外のライフスタイルに対応することはとても大変です。考え方も違うし、収入も評価も低い。言葉や民族の壁もある。プレー以外の精神面での負担は想像以上に大きいもので、この中でモチベーションを保つことは並大抵のことではないのです。
日本のレベルを上げたいのならば、豊富な経験を持つコーチを海外から呼び、実力をつけていくことが先決ではないでしょうか」
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世界のトップレベルを知る者からすれば、日本人の海外挑戦は無謀と映るかもしれないけれど、それでも、手探りしながらもがいている先駆者たちが出てきた。再度、同じ質問をした。
ロマス氏は「ファイナル進出の2チームしか見ていないので、その中では」と前置きして、3名の選手へアドバイスを送ってくれた。
「リンク栃木の川村選手は素晴らしいシューターだと思います。彼がさらなる向上を続けていけば、世界で通用するシューターになると思いますし、彼の将来は素晴らしいものになります。
アイシンの竹内選手も素晴らしい選手。国際大会で彼を何度か見たことがありますが、彼は国内と国際の試合ではプレイが違います。日本では彼の高さは有利になるが、国際大会では彼ぐらいの高さの選手はいくらでもいるので、試合展開を見てプレイのしかたをもっと考えなければならないでしょう。身長を見ればヨーロッパでも通用する高さがあるが、彼の場合はそのサイズに匹敵する体の強さが足りないので、そこを身につけてほしい。
リンク栃木の田臥選手については海外に挑戦していることを知っています。チャレンジ・スピリットがある選手です。実際に海外で通用する部分は十分にあるが、身長とポジションことを考えれば、欧米のバスケットをどれだけ自分自身でアジャストできるか、どれだけ受け入れてプレイできるかがカギになります。
実際、私が吹いているユーロリーグには体の強い選手はたくさんいます。もちろん、チャレンジし続けることは大切ですが、日本選手にとっては決して簡単ではなく、とてつもなく大変な道になります。また、ヨーロッパや海外のどのレベルのバスケットをするかで、行ける(挑戦できる)場所が違ってくるでしょう」
当然のようなアドバイスではあるが、中身はとても深い。昨年から前進したのは最後の「ヨーロッパや海外のどのレベルでバスケットをするかで、行ける場所が違ってくる」の部分。この言葉をチャレンジする選手たち、送り出すべき者がどうとらえるか。
世界にはNBAやトップの1部リーグでなくても、日本よりもレベルの高いリーグやチームは数多く存在する。実際、石崎巧はドイツの下部リーグ入りを目指して出発した。今の日本男子にとって、現実的で可能性が開ける、そして考えさせられる言葉ではないだろうか。





