2009.10.10

【FIBAアジア2009】中東の躍進〈4〉

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今大会6位のカタール。2006年、ドーハで開催されたアジア競技大会当時は
チームの大半がアフリカ国籍と噂されていた。本当のところはわからず


■中東勢、強化の裏側

 女子アジア選手権の記事を挟み、引き続き、男子アジア選手権で得た各国情報をお伝えしていきます。
 
 前のエントリーで中東が躍進してきた理由のひとつにオイルマネーがあると書いた。この件についてもう少し詳しく書いておこうと思う。

「オイルマネー」といっても、はたして中東のどこの国もお金を持っているものなのか、バスケットボールにどの程度の強化費をかけているかは不明だ。

 カタールとレバノン、かつてのサウジアラビアに関しては、強力な人材(カタールとレバノンは帰化選手)を揃えて急浮上(そしてサウジは急降下)したことで、多額な強化費がつぎ込まれたと考えることができるが、イランとヨルダンに関してはそこまで強化費があるものかは不明だし、もしあったとしても、それだけで強くなったわけではない。バスケットボールのスタイルや技術そのものを世界に通用するものへと強化していることが、アジアで浮上した理由だろう。

 ジョーンズカップの記者会見でイランのマティッチHCが「彼らの国(カタール、レバノン、ヨルダン)はお金で国籍を買ってくる」とハッキリと批判していたことが飛び火になったのか、アジア選手権の記者会見では「試合のこと以外の質問はしないでほしい」とFIBAアジア広報から注意があった(それでも、中国人記者は独自のペースで色々と取材していたけれど)。そのため、レバノンにもカタールにも帰化選手のことは一切聞けなかった。

 国がバスケットボールのために強化費を投入するにはそれなりの理由があるわけで、金額よりもその理由が知りたかった。バスケットボールを強くすることが、中東の国々にとって、どれほど重要で魅力のあるものなのか、と。

 2000年初頭からカタールが浮上してきた理由として考えられるのは、2006年に自国開催となるアジア競技大会があったからだろう。当時はカタールの首都ドーハが2016年のオリンピック開催地に立候補していたこともあり、地元で開催されるアジア競技大会の成功は絶対使命であり、国をあげてスポーツの強化を図っていた背景があった。

 ドーハにアジア競技大会を観戦しに行ったとき、地元の英字新聞の記者からこんな言葉を聞いたことがある。

「カタールに来る帰化選手の大半はアフリカ国籍だと言われている。カタールはサッカーが圧倒的な人気を誇り、バスケットボールは2番手の座をハンドボールと争う状況。サッカーが太陽だとすれば、バスケットボールは月。それでも国内2番手のスポーツを強化できるのなら、帰化選手を入れて強くするしかなかった」

 アジア競技大会があったカタールが多額な強化費をかけていたことは、容易に理解できた。そして、イランとヨルダンの強化体制に関しては、今大会、FIBAのサイトに記事を提供しているライターたちからこのような理由を聞くことができた。

「自国のスポーツを盛んにするとき、可能性があるものを強化する。すでにバスケットボール選手に良い人材や環境があったイランとヨルダンにとっては、バスケットボールは強化しやすい競技だったのでしょう」

 どれだけの強化費をかけてイランやヨルダンが強くなったのかは定かではないが、両国にとって未開拓ながら可能性がある競技として、バスケットボールに目をつけたことは大成功だったと言える。
 
 そして、単なる人材を集めただけでなく、経験あるヘッドコーチを招聘し、選手育成に力を注いできたことが、アジアで台頭してきた一番の理由であることに間違いはない。 

 次のエントリーでは、アジア選手権の記者会見および囲み取材で語られたイランとヨルダン両国ヘッドコーチのインタビューを紹介。2人からは、チーム作りにおける“信念”が語られた。

 


Posted by yota at 10:51  FIBAアジア選手権