2009.09.29
【FIBAアジア2009】女子代表、世界選手権出場!

■想像を絶するインドの国際大会
2大会ぶり(8年ぶり)の世界選手権出場を決めた女子代表。日本代表チームの皆さん、本当にお疲れ様でした。第一の感想は何よりホッとしました。
世界で勝負するチームになるには、世界規模の大会に出続けてこそ。世界規模の大会に出続けて戦えるポイントをつかみ、経験を積んでいくことで勝負する術を身につけていく。そういった意味では、4年前に一度途切れてしまった出場権を取り戻せたことで、ここからようやく先に進んでいけるのだと思う。
今大会は日本で応援組でした。私たち日本で応援している者が想像する以上に、インドという不衛生な土地での国際大会は大変だったと、大会終了後に日本代表のスタッフの方から聞きました。国際大会を乗り切るには「タフになる」しかないのだけれど、食事や衛生面に細心の注意を払っていても、次々と選手が嘔吐や下痢、発熱でダウンしていったという。そうしたアクシデントの数々は、テレビ放映やJBAサイトに出ていた情報以上に現地で起こっていたとか。
そんな劣悪環境の中で3位決定戦のチャイニーズ・タイペイ戦では全員が揃い、日本らしい走る展開で勝つことができたのは「出場権を逃してしまったら日本のバスケは終わってしまう」(中川HC)という全員の危機感からでしょう。
今回はテレビ画面を見て感じたことを思いのままに書いてみます。戦いぶりは現地取材組にお任せして(取材お疲れ様でした)、ここでは世界選手権への課題を。あわせて、1年前の北京五輪からベスト4の中国とベスト8韓国がどう変わったか(変わらなかったか)を次のエントリーで。
……
■実力的にはアジア2強に及ばず、機動力バスケは未完成
出場権を獲得したとき、ホッとしたのと、日本代表に感謝したいのと同時に、これから1年間でやること山積みだ……ということが、頭の中をグルグルグルグルと回っていた。
今回は大神雄子のスピードと吉田亜沙美の豊富な運動量からなる“2ガードの機動力”を前面に出したスタイルで臨んだ。「サイズが小さくなってでも、脚を使った攻防をしたい」と、10年ぶりに代表の指揮を執る中川HC。ベストメンバーが揃っての合宿は6週間しかなかったが、その中で徹底して走る攻防練習をしてきた。
しかし、タイとインドを除く勝負がかかった5試合では、得点平均=65.6点(失点76.0)、3P=27.4%。この数字は中川HCの求める「シューティングバスケ」には程遠い数字だ。ここにチーム作りの浅さが浮き彫りになってくる。走る練習は相当してきた。でも実戦では、エース大神の得点を抑えられたとき、チームとしての攻め手に乏しかった。まだまだチームが練り込めていない。
また、今大会は体調不良が響いたとはいえ、またもや中国と韓国には対抗できるレベルではなかった。
中国は昨年の北京五輪で堂々のベスト4。韓国はベスト8。アジアの2強にどれだけ対抗できるかで、世界と戦う指針が見えてくるというもの。中国と韓国に機動力が通用したのは3Qあたりまで。終盤は脚も頭も働かず失速してしまった。しかもこれは予選リーグでの話だ。このままでは世界には通用しないという現実もクッキリと見えた。
この数年間、女子代表は強化の「軸」がブレまくっていた。04年のアテネ五輪に出場して以降、一貫したチーム作りができていないのだ。ヘッドコーチがなかなか決まらず、決まっても任期が短くバスケスタイルが浸透しない。ベテランと若手の組み合わせがうまくいかず選手再編を繰り返し、大会前の強化時間も短い。結局この5年間は「精度の低い」チームになってしまっている。結果、世界選手権もオリンピックも逃した。
今年度から中川HCを専任に置くことで再出発とするならば、目前の大会だけの強化ではなく、主軸選手を鍛えながら、日本独自のスタイルの「軸」を作らないかぎりは、また同じことを繰り返してしまうのではないだろうか。
中川HCは日本の軸となる選手として、大神&吉田の2ガードを指名している。世界選手権でも2人の機動力を前面に出して、なおかつ大神の得点力を生かすスタイルを構築するならば、脇を固める選手を含めた様々な得点パターンを作りたい。さらに、機動力という特徴を出すためには、フルコートでプレッシャーをかけられるスタミナも必要。そのめたには、誰がどんな時間帯に出ても仕事できるよう、12人全員が戦力化しなければならない。
世界選手権まであと1年しかない。
開幕したばかりのWリーグが選手間の競争、育成、強化の場となるように、Wリーグ全体で盛り上げて、切磋琢磨していくことが大事になる。
また、来春の強化合宿からは、ロンドン五輪やその先まで見越した一貫したチーム作りができるよう、今回負傷等で落選してしまった選手を含め、U18~20世代の若手までを招集した強化合宿や遠征を行ってほしい。機動力を生かした日本のスタイルが年々バージョンアップしていくように。

インドで戦った日本代表は、帰国早々、Wリーグ開幕戦で体を張っていた。
彼女たちの戦う姿勢からは本当に元気をもらった。
今シーズンの戦いを楽しみにしたい!





