2009.09.15

【FIBAアジア2009】中東の躍進〈2〉

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NBA経験者2名を加え、インサイドが強力になったレバノン
今年、帰化が認められた#5ジャクソン・ブロマン(左)、アメリカ系レバノン人の#13マット・フリージャ


■帰化選手問題

 どこまで信憑性があるかわからないが、いつでも本音トーク炸裂のイラン・マティッチHCが7/22のジョーンズカップの記者会見にて、以下のような批判発言をした。ある台湾人記者が「あなたはアジアに増えている帰化選手についてどう思いますか?」と切り出したのが、事の始まりだった。

イラン/マティッチHC
「アジアには帰化選手がとても多くなった。FIBAでは厳しく取り締まっているはずなのに、ヨルダンもレバノンも3~4人の帰化選手をチームに入れている。このジョーンズカップにも来ているようだ。僕はアジアの大会で新しい中東の選手会うたびに「君はどこから来たの?」と聞いているが、そのたびに、今いる国とは違う国名が出てくる。カタールに関しては全滅(帰化選手は全員の意味)だろう。彼らの国はお金で国籍を買ってくる。帰化選手を入れることは強化になっているが、その国のためになるかはわからない。インチキして勝つより、自分たちの国の選手を育成していかないといけない。それが正しいやり方だと思う」

 FIBAのルールでは帰化選手は代表チームに1名まで認められている。このマティッチHCの堂々と
した批判コメントが物議を醸し、次の試合の記者会見に登壇したヨルダン・パルマHCは激怒し、反論した。

ヨルダン/パルマHC
「私たちはFIBAのパスポートチェックを受けている。イランのヘッドコーチの発言は全部ウソだ。自分たちがアジアのチャンピオンチームを守りたいための発言だ。人のチームを蹴落とそうとするのはよくないことだ。彼に言いがかりをつけられるのはこれが最初じゃないんだ。もういい加減にしてくれ! 彼は技術的に素晴らしいチームを作るが、人格的にはどうかと思う。NOリスペクト(×3回)!!!」

 対してレバノン・ラッツアHCは涼しい顔をして「レバノンは規定を守っているし、私は帰化選手をレバノン代表としてリスペクトしています」と発言し、それ以上は語らなかった。

 そして、翌日7/23。イラン×ヨルダン戦で乱闘が起こり、ヨルダンが試合を放棄。よってイランの不戦勝となった。

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イラン 20-0 ヨルダン


 帰化選手問題については、ジョーンズカップだけでは終わらなかった。

 アジア選手権が始まってすぐに問題が勃発。私は1次リーグを現地で取材していないので、現地入りしてから関係者から聞いた話だが、大会が始まってすぐにレバノンの帰化選手に対し「実はまだ帰化申請が下りていないのでは」との情報が流れ、他国からクレームがついたという。調査結果によっては「ルール違反のため、最悪の場合はレバノンの大会参加が認められなくなる」というニュースまで飛び交った。

 確かに、帰化なのか、二重国籍なのか、アメリカで生まれ育ったけれど、祖父だか父方の出生地がレバノンだからレバノン国籍だ~などと言われても、その境はよくわからなくなっている。最終的にはパスポートで判断するしかない。

 結局のところ、パスポートチェックを通っていたことから事なきを得て、2次リーグに入る頃には帰化選手の話題は終息していた。

 最後に帰化選手の話題が記者会見で出たのは、ヨルダンが3決で勝利したあと。帰化選手のことを聞かれたヨルダンのマリオ・バルマHCは「ヨルダンの帰化選手は、5番のラシーム・ライトただ一人」とキッパリと答えている。

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因縁の対決、ヨルダン×イランが準決勝で激突!

■犬猿の仲
 
 帰化選手問題で双方言い分が対立していたイランとヨルダンのヘッドコーチ。ジョーンズカップでは乱闘、ヨルダンの試合放棄にまで発展したことから、アジア選手権で対決することになれば相当な見ものであり、両者燃えるだろうと思っていた。その対決が「世界」への出場を決める大一番の準決勝で実現するとは! 

 イラン×ヨルダンの準決勝。序盤こそ大きくイランがリードするものの、ヨルダンが終盤に追い上げを図り、最後の攻防まで勝敗の行方がわからない大激戦となった。ラスト30秒を切って同点。最後はイランのキャプテン、#14ニックハが1対1を決めて2点差でイランが勝利した。

 準決勝で敗れたヨルダンのパルマHCはイランに対して、負け惜しみのコメントが炸裂。悔しさを全開にしていた。

「イランはタフなチームであり、接戦の結果としてイランが勝った。世界選手権出場おめでとうと言いたい」と言ったあと……「今日の私たちは前半にシュートが入らなさすぎて運がなかっただけ。イランは運で勝ったが世界選手権に行くにふさわしいチーム。でも僕らが勝っていたら、僕らも世界選手権にふさわしいチームだった」

 対してイラン・マティッチHCは余裕のコメント。

「ヨルダンのようないいチームを倒せてうれしい。私たちはクロスゲームでの経験があるので、そういう場面で何をすべきかわかっていた。うちの選手には、よりよいゲームをしようとだけ言って、プレッシャーを与えなかった」とコメント。

 その後は中国人記者から決勝や中国のことに対する質問ばかり出ていたので、別の意味でカリカリしていた。(アジア王者からの苦言〈1〉〈2〉をお読みください)


Posted by yota at 20:46  FIBAアジア選手権