2009.08.05

聞けなかった最後の質問

小牧での東アジア選手権最終日。ホッブスHCにどうしても聞きたいことがあり、
決勝後の記者会見で挙手をしていたが、時間の都合で私が指名されることはなかった。
聞きたかった質問とは

「はじめてアジアの中で戦い、アジアのバスケットの質、特徴をどう感じたか?
東アジアを戦い抜いた手ごたえは?」

さらに時間があれば「アジア選手権を勝ち抜くために必要な強化は?」

ホッブスHCは、東アジア選手権でアジアのバスケットに触れるのがはじめてだった。
東アジア選手権では最低限のノルマであるアジア選手権の切符を獲得することはできたが、
東アジアのレベルを知ることと、日本の主力がどこまでできるか探ることに終始していて、
手探りで采配しているように見えた。特に決勝の韓国戦では何も仕掛けることができなかった。

そんな中でも、ホッブスHCが掲げるハードなディフェンスの強化を続けていけば、
06年世界選手権時のレベルやそれ以上に上がっていくのではと期待させられたし、
何より、チームを機能させていくのはこれからだと感じたから、
ホッブス自身がアジアのバスケットボールの質をどう思ったか、
その中での手ごたえを聞いてみたかったのだ。


2年前のアジア選手権。優勝したイランのライコ・トローマンHCは、
アジアを勝ち抜くには、アジアの中での戦い方を知ることが大切」だと語っていた。

「欧米に比べたらアジアのレベルは低いけれど、
私は可能性のあるアジアのチームをヘッドコーチとして預かったのだ。
各国に遠征に行って強化をしてきたけれど、大切なのはアジアの中での戦い方を知ること。
その可能性を見出すためにジョーンズカップで連戦して、
アジアのバスケットボールを知ることが大切だった。
アジアといっても様々なバスケットボールがあり、対戦して肌で感じないことにはわからない」

ジョーンズカップを戦った日本代表は、ケガ人が続出したこともあると思うが
アジアの中でどう戦うのか試しているようには見えず、
それ以前に、何を目指して戦っているのか伝わってこなかった。


アジア選手権出発前の倉石HCのコメントは日本代表の公式サイトに書いてある通りだが
要約してさらに補足をすると、以下の展望を述べていた。(取材日:7月31日/レポート松原貴実)


「ジョーンズカップでは12人揃っていたわけでなく、その面ではマイナスだったけど、自分がHCとして何をしたいのかを徐々に増やしていったし、考え方、取り組みの部分は自分が強化部長の立場から話していたことが具体的に彼らは分かりはじめて浸透していると思う。アジア選手権は一人一人の自己責任と態度を持って戦おうということを話した。

ジョーンズカップでは竹内譲次がいなかったから、最初から違う形の戦いになるわけで、そのうえ、初戦で山田大治が指をケガした時点でインサイドの選手が手薄になり、3番を4番に、2番を3番にしたり、ポジションを変えないとゲームが成り立たなかったので、これまでと違う形のバスケットをやらざるをえなかった。

だから「思い切り戦いなさい。手の内を隠す必要はないから」と戦わせた。チームのデータを拾われても全然違うことをやっているわけだから、それに関しては全然問題はなかった。こういったゲームが日本のナショナルチームにとって何かいいことになったかといえば、戦う闘争心だけはついたと思うし、相手にどのくらいのことやれば、どれだけイヤがるのかは肌で感じたので、その点については大丈夫だと思う。

ジョーンズカップを戦って、一昨年前、徳島で開催されたFIBAアジア選手権の時のイランやレバノン戦に感じた力の差は無いと感じた。蓋を開けてみないとわからないが、ジョーンズカップでの戦い方であれば十分に勝機はあると感じた。逆にノーマークだったヨルダンが恐い存在になりそうな感じがした。

アジア選手権での戦い方の青写真はできているが、竹内譲次が戻ってきて間もないので、まずはチームとの呼吸を合わせていくこと。ジョーンズカップ後、新たに取り入れているものもあるし、それらをうまくコントロールして、短い期間だけどうまく練習できるかが問題。これから足し算や引き算して合わせていくこともある。

アジア選手権の戦い方としては初戦の韓国を倒したい。それがすべてくらいに考えている。そのヤマを超えることが世界選手権に出ることだと思っている。それくらい重要」(倉石HC)


ジョーンズカップで他国が調整中ながらも貪欲にゴールを狙う姿を見て、
スカウティング合戦や帰化選手の情報が飛び交っている現場にいて、
とてもではないが、
「一昨年前、徳島で開催されたFIBAアジア選手権の時のイランやレバノン戦に感じた
力の差は無いと感じた」とは思えず、逆に、危機感を覚えてタイペイをあとにした。

今の日本の強化状態で、世界選手権行きの切符を得ることは容易なことではない。

アジアを勝ち抜かなければ、世界もない。
今回のアジア選手権では、今、アジアで何が起きているか、
日本はどんな強化状態で、どんなレベルにいて、どのような勝負ができるのか。
アジアの現状を、日本と他国の現状を、きちんと把握していかなければならないと感じています。


次のエントリーからは、アジア選手権開幕によせて、アジアの状態を把握すべく、
今一度2年前の大会を振り返り、ジョーンズカップで取材した他国の情報を掲載します。
(遅くなって申し訳ありません!)


Posted by yota at 20:31  FIBAアジア選手権