2009.07.27

ジョーンズカップ情報〈アジア各国編〉※追記あり

ジョーンズカップに出場した他国の情報をピックアップ。いくつかの国のHCにコメントが取れたので、それは後日掲載します(取材が英語と中国語だったので、訳すのに時間がかかりそうです。すみません)

※8/8イランとヨルダンのHCのコメント追記しました。

■イラン&フィリピン 1位/イラン(6勝2敗) 6位/フィリピン(2勝6敗)

IMG_08144.jpg
イランのキャプテン#14ニックハ・バハラミ(197㎝/F/26歳)
攻めてよし、守ってよし、勝負所に必ず絡むクレバーな選手


主力選手はPGの#7マガディ・カムラニ(181㎝/PG/27歳)、Fの#14ニックハ・バハラミ(197㎝/F/26歳)、Cの#15ハメッド・ハダディ(218㎝/C/24歳)と3本柱に変動なし。

センターの#15ハメッド・ハダディはラスベガスのNBAサマーリーグ(メンフィス・グリズリーズ)に出場していたため、21日のチャイニーズ・タイペイ戦から参戦(韓国がイランに勝利した時はハッダディが出ていない。日本戦には出場している)。

徳島のアジア選手権でイランを優勝に導いた、前ヘッドコーチ、ライコ・トローマン氏が観戦に来ていた。トローマンHCはイランを「まじめに練習する習慣づけから強化」(徳島でのアジア選手権での談話)し、見事就任1年でオリンピック出場チームへと導いた知将。その手腕が買われ、現在はフィリピンBチームのヘッドコーチに就任している。

フィリピンBチームとは、先日、日本が対戦したフィリピンのクラブチームのこと。完全非公開でスタッツも公開されなかったことから情報がまったくわからなかったが、トローマン氏がフィリピンの若手チームを指導していることだけはネットの情報で確認できていた。

トローマン氏に話を聞いてみると、「フィリピンBは大学生を中心としたチームで、2012年のロンドン・オリンピック出場を目指して強化している」とのこと。2007年よりアジア選手権に復帰したフィリピンはすでに新たな強化を始めていた。これで、またひとつ脅威なチームがアジアに増えたことになる。

アジア選手権の展望
マティックHC「すべては準々決勝で決まる。ここでの組み合わせがポイント。ここでいい組み合わせを取るために1次、2次リーグを戦っていく。イランの1次リーグはクウェートとタイペイとウズベキスタン。ここは問題ない。2次リーグでは東アジアの地域が多い。ここで対戦するのは日本、韓国、フィリピンだろう。東アジアの地域と戦うのは私たちにとってラッキーだと思う。勝負となるのは中国、レバノン、カタール、ヨルダンと対戦した場合。準々決勝が勝負」


IMG_127111.jpg
日本戦ではバネがあるプレイで17得点叩き出した
フィリピン#18Japeth AGUILAR(206㎝/22歳)


■ヨルダン 2位/1勝7敗

IMG_10400.jpg
マリオ・パルマHCの懐刀、#5ラシーム・ライト(195㎝/G/28歳)


ヨルダンは帰化選手で司令塔の#5ラシーム・ライトを中心に、2007年アジア選手権以後も着々とチーム作りを進めている。他の中東の国に比べると上背はないが、鍛えられたチーム力を持つ。

アジア選手権の展望
パルマHC「ひとつ言えるのは、私たちほどよく対策を練って、よく練習をしているチームは他にない。けれどアジアで勝てる保障はない。中国は別としてライバル国を見てみれば、イランはいい素材があってアジアで優勝した経験があり、レバノンはNBAを経験したプレイヤーがいる。この両国はプレイヤーが揃っているし、強化するお金がある国だから強い。勝って当然。そんな相手たちにも私たちの鍛えてきたバスケットボールをぶつけたいと思う」


■レバノン 3位/6勝2敗

IMG_13233.jpg
2004~2006年にかけて、フェニックス・サンズとニューオリンズ・ホーネッツでプレイ歴がある
#5ジャクソン・ブロマン(208㎝/PF/28歳)


元NBAプレイヤーであるジャクソン・ブローマン(208㎝/PF/28歳)が日本戦後に登録され、レバノンのインサイドの柱として活躍。調整中なのか、さほどキレはなかったが安定感はバツグン。ブローマンはアメリカからの帰化選手で、今年レバノン国籍を取得した。

24日からはこれまたNBA経験のある#13マット・フリージャ(208㎝/27歳/アメリカ系レバノン人という説明だった)が登録されて参戦。すぐにレバノンの主力として活躍(この選手が出た試合は見ることができなかった)。エース#15ファディ・エルハティブ(196㎝/F/30歳)は体が少し重たそうだったが、インサイドに強力な得点源ができたことで負担が減りそう。チームの仕事人は#9ブライアン・フェガーリ。アウトサイドシュートからポストプレイまで、2~4番ポジションをこなす。決して崩れることはない安定したプレイヤー。


■チャイニーズ・タイペイA(中華) 4位/6勝2敗

IMG_16955.jpg
帰ってきたタイペイの“野獣”#23リン・チーチェ(191㎝/SG/27歳)


東アジア選手権で敗れた日本と韓国に勝利。タイペイは集中力が切れてしまうと意気消沈するのも早いが、勢いに乗ると一気にペースをつかむ力がある。勝負がかかった時のディフェンスはゾーンが主体で、オフェンシブ。見ていて面白いチームではある。

今大会は体調が整わず、センターの#8ウー・タイハオ(202㎝/C/25歳)がベンチ入りしていない。また初日の日本戦には出場していたキャプテンの#9ヤン・ザーイー(193㎝/F/30歳)が何試合かエントリーから外れるなど、多くの選手を登録させてチャンスを与えていた。

日本と韓国の東アジア勢に勝利したタイペイ。現代表は人気者の#13ティエン・レイ(202㎝/PF/26歳)、#11ツェン・ウェンディン(202㎝/C/25歳)、ウー・タイハオのインサイド陣と、まとめ役のヤン・ザーイーと個性にあふれ、ツブが揃っている。それでも絶対的な強さは感じない。東アジア選手権の時も感じたことだが、韓国人のチョン・コシンHCの話を真剣に聞いていない選手が多い印象を受けた。ひとつのチームになるには絶対的となる選手、決定打が足りない。結束力がいまひとつ。

「あーそれは、ヘッドコーチと選手の関係があまり良くないからですよ。ヘッドコーチは一生懸命にやらない選手を使わない方針なので合わない選手もいます。タイペイはいい選手がいるのに、なかなか強くならない」と教えてくれたのは自由時報の葉士弘記者。(日本語が少し話せる記者で助かりました!)

そして、今大会は東アジア選手権には来日していなかった“野獣”こと#23リン・チーチェ(林志傑、191㎝/SG/27歳)と、SBL(国内最高峰リーグ=スーパー・バスケットボール・リーグ)ファイナルMVPの#7張智峰(CHANG,Chin-Feng/183㎝/G/28歳)がメンバー入り。これまた、この2人が入ると個性がさらに豊かになる。ともにSBLファイナルで足首を痛めたが完治。リン・チーチェは以前よりちょっと太り、精度が落ちていたが馬力は相変わらず。と思ったら、最終・韓国戦で活躍したもよう。完全復帰したら怖い存在。

6月の東アジア選手権最終日に聞いた#13ティエン・レイのコメントが気にかかる。
「SBLが終わったばっかりで練習ができなかったのと、訳あってベストメンバーではなかったので残念な結果に終わった。ベストメンバーならば、アジア選手権の出場権を取れたと思う」

訳あっての訳とは…?「うーん、色々な事情としか言えない」とかわされてしまった。

色々な事情にはチェン・シンアン(陳信安、198㎝/F/29歳)が出ない理由も含まれているのだろうか? 辞退の理由は膝の治療ということだけど。


■韓国 5位/5勝3敗

IMG_09711.jpg
韓国黄金世代の一人、#6カン・ビョンヒョン(193㎝/SG/24歳)


今回はヘッドコーチがホ・ジェ(東アジア選手権時のHCで、かつて「韓国の大統領」と呼ばれた名選手)ではなく、アシスタントコーチのカン・ジョンスがHCに繰上げて采配をふるっていた。韓国の記者によると「ホ・ジェは自チームの外国人選手獲得のためにラスベガスに行っている(※)。8月のアジア選手権では指揮を執る」とのこと。 ※7月22日~24日までラスベガスでKBL外国人選手のトライアウトが行われていた。

ホ・ジェは昨シーズン優勝したKCCのヘッドコーチ。これまでの韓国はKBLのチャンピオンチームのHCが代表監督を兼任していたが、徳島のアジア選手権からは「専任で強化をするために」(韓国協会)代表チームのHCは専任制度になった。しかし、また逆戻り。5月1日にKBLファイナルを終え、慌しく代表HCと選手が決まったので、「最初からラスベガスには行く予定だったのでは?」と韓国の記者(チームに確認を取ったわけではないので、あくまで新聞記者の見解です)。新米ヘッドコーチが采配をふるわなくても大丈夫なものかと、敵ながらに思うが「この大会ではケガをしないことが第一」と代理のカン・ジョンスHC。

東アジア選手権でキャプテンを務めていたチュ・スンギュン(190㎝/F/34歳/KCCで昨季のファイナルMVP)とパン・ソンユン(195㎝/F/27歳)に代わり、大黒柱の#11キム・ジュソン(205cm/PF/29歳)と#4チェ・ジンス(203㎝/PF/20歳/サウスケント高→メリーランド大)が加わった。

キム・ジュソンはまだ調整中らしく、エンジンがかかっていなかった。チェ・ジンスは韓国期待の大学生。以前の名はキム・ジンスで、父親は元韓国代表のキム・ユテク。線は細いながら父親以上のセンスがあり、将来が有望視されている。

韓国はヨルダン戦で前半まで互角。しかし、点差がつきはじめるとあきらめてしまったのか、若手に切り替えて経験を積ませる布陣にしてしまった。このように、今回は若手を多く起用。#15キム・ミンス(200㎝/PF/27歳)らが食中毒でベストではなかったために、レバノン、タイペイAに連敗して大会を終えた。

ちなみに、日本戦で残り7.8秒で逆転3Pを決めた#6カン・ビョンヒョン(193㎝/SG/24歳)は、韓国黄金世代の一人であり「ビョン様」と呼ばれる人気選手。韓国も日本と同じく84~85年生まれの選手は黄金世代と評されている。黄金世代の一人、#12ヤン・ヒジョン(194cm/F/25歳)は運動能力が高く、速攻、3P、リバウンドに強い選手で、控えながらいい仕事をする。韓国では黄金世代が台頭してきたことにより、かつてKBLを沸かせた選手たちとの世代交代が進んでいる。黄金世代といっても、もう24~25歳。各国の中心になってくる年齢である。


■チャイニーズ・タイペイB(光華) 7位/2勝6敗

IMG_11622.jpg
A代表入りが近いといわれる#11張宗憲(192㎝/G/20歳)


全員大学生で構成され、一人を除いてはSBLにも所属している。台湾はルールが整備されていなくて二重登録OKのため、大学でプレイしながらもSBLでプレイできる。

タイペイBの中で唯一、SBLに所属していない#11張宗憲(CHANG,Tsung-Hsien/192㎝/G/20歳)はBYUHに留学中(ウー・タイハオも1年間だけBYUHに留学しているとか)。合同の練習期間が短いためにスタメンではないが、192㎝でPGとSG兼任できる能力を持ち、スピードとシュート力は目を見張った。「彼は近いうちにA代表に昇格する」というのがタイペイ記者たちの評価。

ヘッドコーチは昨季SBL優勝チーム達欣工程のHCを務める邱大宗(CHIU Ta-Tsung)氏。カザフスタン戦で接戦をモノにしたように、各国がナショナルチームで臨む中で成長しようとしていた熱いチームだった。

※選手・コーチの名前の読み方は調べ中です。


■カザフスタン 8位/1勝7敗

IMG_13911.jpg
アジアの中では大型ガード(SG兼任)の#8マクシム・ヴォイェイコフ(196㎝/G/20歳)


カザフの力は読めなかった。徳島のアジア選手権では若手中心に30代のベテラン2人が要所を締めていたが、今回は完全なる若手チーム。現地入りしなかった選手を含め、登録メンバーは下は15歳~上は28歳(28歳は一人だけ。平均21歳)。エースのアントン・ポノマレフ(208㎝/20歳)が参加していないし、他にも負傷者2人がタイペイ入りせず。ケガで試合に出ない選手もいたので、常に8~7人のメンバーで試合をしていたため精彩がなかった。

アントン・ポノマレフについては「フランスリーグで戦う準備をしながら、ヨーロッパでキャンプに出場しているため今大会は来ていない。アジア選手権には戻ってくる」とチーム統括のニコライ・ミハルチュク談。

タイペイBに敗れた翌日は日本戦だったが、出足からスパークし、内に秘めた闘志が感じられた。


Posted by yota at 04:18  FIBAアジア選手権