2008.07.28

明仙バスケ・ラボ&インターハイ情報

IMG_1037.jpg明仙バスケ・ラボ


仙台から情報発信!明仙バスケ・ラボ

いよいよ明日からインターハイ!一週間前の話題になりますが、インターハイにちなんで、高校バスケの話題を。7月19、20日の2日間、宮城県仙台市にある明成高校に「明仙バスケ・ラボ落成記念試合」の取材に行ってきました。

明成の明、仙台大の仙で「明仙」。ラボとはラボラトリー(研究所)の略。学校法人朴沢学園の姉妹校、明成高と仙台大がバスケットボール専用体育館と研究所を作り、その落成イベントが行われたのです。記念試合のメインはインターハイを目前にした明成と能代工の試合。県内にしか告知をしていないにもかかわらず、1000人以上の人が観戦に訪れたというから驚き!さすが人気カードです。(下記写真参照)

明成はもともと女子バスケの強豪校だったが、朴沢学園が「高大連携プロジェクト」として、明成男子バスケ部を立ち上げたのが2005年のこと。この3年間、男女バスケ部は学校の体育館一面を共有して練習していたが、これからは男女ともに思う存分練習できる環境になった。「明仙バスケ・ラボ」と名づけられた施設は、2面取れる体育館に隣接してトレーニングルームと「仙台大・スポーツ情報マスメディア学科」の分室があり、映像を使って分析できるシステムも備わっている。仙台大バスケットボール研究室では、明仙バスケ・ラボを活用し、今後、バスケットボールの情報を広く発信していくという。

明成といえば、昨年度は創部3年ながら3大大会すべてにベスト4入りと大躍進したチーム。能力を前面に押し出すチームが主流の高校界にあって、豊かなコンビネーションプレイを取り入れたスタイルは異色であり、昨年度、高校界に新風を巻き起こした。コーチである佐藤久夫先生は、前任校の仙台同様、40分間スピードある中でパッシング・モーションオフェンスを追求している。さらに明成で求めているのは、予測をしながら対応・変化すること、チームプレイの中での1対1の強さ。

今年のチームは平均身長こそ(強豪校の中では)それほど高くないが、機動力を生かしてグングンと伸びている。大型センターがひしめく高校界の中で、あえて「ガードとフォワードの構成でチーム創りをしている(フォワードの選手が中と外でプレイする)」(佐藤コーチ)というのも面白い発想。日本が世界で戦うためのヒントをたくさん持っているチームだ。インターハイでは順調に勝ち上がれば、外国人就学生を擁するチームと連戦する可能性が高いので、戦いぶりに注目したい。


IMG_14699.jpg

インターハイ開幕!個性豊かな高校バスケは必見

今年のインターハイ男子は、外国人就学生センターを擁するチームと、それに対抗する術を持つ強豪校という図式が例年以上に浮かび上がる。特にセネガル人就学生を擁し、昨年からの経験あるメンバーが揃う福岡第一(福岡)、延岡学園(宮崎)が現時点では高さパワーともに一歩リードと見られている。それを追う洛南(京都)、明成(宮城)、北陸(福井)、福岡大附大濠(福岡)、八王子(東京)、能代工(秋田)…といったところが有力校にあげられる。

少子化のこのご時世、学校運営は環境面で特色を出していく時代になった。高校バスケでもこの傾向はハッキリと見受けられる。

先に紹介した明成が高校・大学一貫となって強化するのであれば、街全体と全国各地にいるOBが一体となって支えるのが能代工だ。“バスケの街・能代市”にある能代工は、日本一の地域密着型チームだといえる。そのほか、外国人就学生を受け入れて強化を図る国際色豊かな高校、全国から有望選手を受け入れる環境(専用体育館や寮)が整っている高校、文武両道を目指す高校、学区制度を廃止した公立校、統廃合・名称変更する高校、地元の生徒をきめ細やかな指導で育成する公立校…

そういった学校の方針を理解しながら、バスケットボールを多角度から勉強する指導者が増えてきたため、チーム創りにも指導者の哲学(持ち味)が色濃く出てきている。高校バスケが面白いのは、こうした学校運営と指導者の個性を前面に出し、チームカラーを存分に発揮しているからだろう。この夏、インターハイを観戦する人は、背景にあるチームの特色を探りながら観戦すると、より面白い見方が出来ると思う。


明仙バスケ・ラボ落成記念試合

IMG_15077.jpg


2日間にわたるイベントは19日が小・中学生対象のクリニック、中学生の交流試合のほか、20日には記念試合が組まれた。記念試合のメインは明成vs能代工。109-89で明成が今季4連勝。能代工はエース館山が東北大会で足を痛めたために欠場していたが、ゾーンプレスで明成を苦しめ、東北大会よりも粘りを見せた。2年生の宮城や1年生の西島ら下級生が台頭。エース不在でもただでは転ばない! 逆に明成はホームコートで緊張したのか前半は硬さが見られたが、終盤に突き放して「同じ相手に連勝する」という課題をクリア。互いにインターハイ前に収穫があった試合だった。試合のMCを務めた富山グラウジーズ育成コーチの石橋貴俊さんほか、記念試合の前後日を利用して、全国から多くの指導者が明成の練習見学や勉強に訪れていた。


IMG_14999.jpg

4月から能代工のコーチに就任した佐藤信長氏。初代監督・加藤廣志氏に見守られながら、新天地で奮闘している。「能代工に来てから勉強の毎日です。高校生は気持ちが大切。ディフェンスをしっかり頑張って最後まであきらめないチームを創りたい」。能代工は伝家の宝刀・オールコートのゾーンプレスほか、今年はマンツーマンにも力を入れている。


IMG_14177.jpg

男子戦の前には、明成女子vs仙台大女子の試合もあり、明成が快勝。OGの安達美紀(日体大)率いる明成女子は、県内でライバル聖和学園に勝利し、インターハイには3年ぶり5回目の出場。東北大会で初優勝し、インターハイ第3シードを獲得した。高さとシュート力がある今年は勝負の年。課題はタフネスさを身につけること!


IMG_1232.jpg

今春卒業した明成一期生vs仙台大の試合も組まれ、コチラを楽しみにしていた観客も多かった。明成一期生は高校時代のユニフォームで登場。「もう着ることないと思っていたから照れますね(笑)」(中川)。練習なしのぶっつけ本番だったにもかかわらず、あわせのプレイが何本も決まって15人全員得点を決めて90-71で快勝。「高校時代に教えたことが出来ている」と佐藤久夫先生はうれしそうだった。昨冬のウインターカップではケガをして出られなかった伊藤キャプテンも元気に復活。スタメンは左から伊藤駿(青学大)、佐藤琢(玉川大)、佐藤卓哉(明治大)、中川真雄(青学大)、名塚裕貴(日大)。

ちなみに、この試合で明成のベンチを務めたのは、昨年度まで明成のAコーチだった齋藤拓也氏(仙台大出身、今季からトヨタ自動車アルバルクのマネージャー)。仙台大のベンチは佐藤幸広氏(仙台高~仙台大大学院)。こちらも昨年度まで明成のAコーチで、今春から仙台大の指揮を執る若手コーチ。仙台大は弟分に負けじと強化を図ってインカレ出場を目指す。明成からは若い指導者が巣立ち、現在、この2人に代わって明成のAコーチに就任したのが細野真氏(東海大四高~日体大~ジャパンエナジー~アイシン~愛知機械~新潟アルビレックスBB)と、小林高校でコーチをしていた吉村康夫氏の2人。


Posted by yota at 01:52  高校バスケ