2007.10.23

新JBL運営面の課題

■ファンありきのリーグに

“新”JBLがスタートして2週が過ぎた。新JBLは「強い日本を作る」という理念のもとに設立された「プロ・アマ混在のトップリーグ」。トップリーグとして一番に求めたいのはプレイの向上だが、ここでは2週経って見えてきた運営面の課題について述べたい。

今シーズンより、リーグとチーム(一部)が興行権を持つ「自主運営のリーグ」へと変わった。ホーム&アウェイ方式となって主管チーム(ホーム)が入場料収入を得るために、各チームとも様々な演出を凝らしている。

各チームにゲームをナビゲートする専属MCがつき、ダンスショーやフリースローゲームを行ったり、選手の等身大パネルが観客を出迎えたり、ゲームを盛り上げるために様々な演出が行われている。これらの演出は今までなかったわけではないが、新リーグではホームの特権として、よりチーム色を出す演出ができるというわけだ。

だが、開幕から2週経ち、演出に対する観客の反応は今ひとつといったところ。たとえば、オープニングケームの日立×アイシンが行われた東京体育館では、5,000人以上の観客を集めながらも、「MCが日立寄りなの?」「日立のチアガールしか出てこないの?」「両チームの音楽はないの?」といった声が聞こえ、そもそも、ホーム&アウェイ方式になったことを知らない観客がたくさんいた。

また、チケットについても混乱が生じている。ホームとアウェイ席の売り出し方がわかりにくく、試合によって発売時期もバラバラ。Wリーグと同会場開催時の販売方法が統括されてなかったり、改善の余地が多いにある。JBLは変わった運営面について、会場なり、ホームページ上でファンにアナウンスする必要がある。要するに、何が“新”リーグなのかの説明が足りない。

演出に関して言えば、各チーム試行錯誤しているように見える。導入したばかりだから試行錯誤するのは当然かもしれない。気にかかるのは企業方針の違いなのか、「ホームタウン」制について各チームの意識に差を感じること。試合後に選手が観客席まで挨拶に行くチームがあった中で、挨拶もそこそこにコートから引き揚げてしまうチームもあった。そういった姿勢でファンに接するチームに対し、高い入場料を払ったファンは「また来たい」と思うだろうか。興行権を持つことで(業者に興行権を委託したとしても)、「何か演出しなきゃ」と形ばかり変わろうとしても、一番大切なファンの存在を見失っていては意味がない。

北海道ではホーム開幕戦ということで、水澤社長の挨拶があった。「ここが私たちのホームです。目をつぶってもたどりつけてしまうくらい、ここ月寒アルファコートドームに通ってください」と、ファンに頭を下げるその姿からは「私たちのホームでは面白いゲームを見せます!」という覚悟が見て取れた。そして選手たちはその期待に応えようと必死だ。何もお金をかけるばかりが演出ではない。ファンを大切にする気持ちがあれば、できることはいくらだってある。

ホームタウン制を掲げている以上、ファンありきのリーグに進化していかないかぎり、いつまでたっても企業スポーツの中でやっていた今までのJBLと何ら変わらない。


……

そういった意味からも、北海道の開幕戦でファンと一体化している姿勢に素直に感動し、その様子を前のエントリーで紹介させてもらいました。その中で「今までのJBLにはなかった“ホームコート”の歓迎と興奮が、北海道の地にあった」と書きましたが、ブログを掲載しているバスケットボール・ジーンの掲示板にて「新潟アルビレックスを無視している」との指摘を受けました。

新リーグを謳うようになってからのJBLは、「プロ・アマ混在リーグ」ということで進むべき方向性がなかなか見えてきませんでした。プロチームとして出発した北海道は、そんな新リーグの中で類を見ない「ホームコートの力を持ったチーム」だということを伝えたかったのですが、書き手であるにもかかわらず、言葉が足らなかったと反省しております。新潟アルビレックスの活動を否定したつもりは、決してありません。

JBL時代の新潟アルビレックスは、北海道と同じようにチームとファンが一体となった取り組みを展開していたチームです。また、新潟アルビレックスと埼玉ブロンコスが掲げた「地域密着」の姿勢は、今日のbjリーグの礎になりました。表現に至らぬ点があったこと、不快な思いをさせてしまったこと、関係者とバスケットボールファンの皆様にお詫び申し上げます。本当に申し訳ありませんでした。

……


リーグ運営に関して、JBLからは以下の回答をもらった(10/25発売の月刊バスケットボールに関連記事を書いています)。

「新リーグはようやく基盤ができてスタートラインに立ったところ。運営面については各チームより案は出てきています。リーグ全体の問題として、各チームと検討しながら改善していきたい」

今までのJBLは、ファンにもメディアに対しても告知がなさすぎた。逆に言えば、試みが少なかったからアナウンスできなかったとも言える。新リーグとなりテレビ放映が増え、チームグッズもでき、ホームページの更新も早くなり、徐々に改善されつつある。ファンの声が反映される“新”リーグに変わっていくことを願いたい。


【追記】10/24 AM7:00

今月25日発売の月刊バスケットボールにて、JBL、bjリーグ、WJBLのリーグの進むべき方向について、各リーグのトップにインタビューを行いました。月刊バスケットボール編集部とともにそれらをまとめ、「日本のバスケットボール界の現状」として、特集記事を組みました。ぜひ、読んでいただきたいと思います。


Posted by yota at 23:06  取材の現場日記