2007.10.05
“バスケの街”の国体〈3〉決勝は7,000人!

昨日行なわれた秋田わか杉国体少年男子決勝は、秋田が79-64で福岡を下し、平成10年以来、9年ぶり15回目の優勝を飾った。9年ぶりというと、田臥勇太が3年の時以来。おめでとうございます!
昨日、能代から戻ってきてしまったので、決勝はネット配信と録画放送での観戦となったが、秋田の気迫はすごく伝わってきた。そしてネット配信は混みあっていたせいか、つながってもすぐに切れてしまい、結局、2Q以降見ることができなくなった。つながったのは閉会式になってからで、秋田県民の方が閉会式の余興で太鼓を叩いているところだった(涙&笑)
それにしても驚いた。決勝は準決勝と比較にならないほど観客が入っていたことは画面からもわかったが、今日の秋田魁(さきがけ)新報(Web版ではなく紙面版)によると観客は5,000人、会場に入れなかった人は2,000人もいたとか。準決勝も4,000人入っていたんですね(消防法の規定があるためか、正式な観客数は掲載していないようです)。福岡は完全にド・アウェイだったことだろう。国体は入場無料という魅力もあるが、能代市総合体育館に集まった人たちは純粋に「バスケが見たい!」と足を運んでいたのだ。
試合の報道は現地で取材をした記者の方にお任せするとして、ここでは、「バスケの街」の地域密着について触れてみたい。熱戦ビデオを撮り続けて18年。高校バスケ、大学バスケのことなら何でも知っているリアルタイム代表・大塚満彦さんからいただいた感想です。
能代工高、抜群の安定感で福岡振り切る 「狙いは全国3冠」(さきがけon The Web)
早朝から長蛇の列、バスケ会場、能代工高ファン応援に(さきがけon The Web)
強化実り涙の復活 バスケ成年女子、51年ぶり栄冠(さきがけon The Web)
……
「これまで国体を18回見てきたけど、こんなにお客さんが入った国体ははじめてです。工業(能代工)の試合のない初日(シードのため)から満員でした。準決勝の4,000人にもかなり驚きましたが、まあ、能代カップでもあることだから、役員の方たちは慣れていたようでした。ですから、会場を整備する役員の方たちは決勝では満員になることを想定していて、ステージの前やチーム席のうしろに観客席を作り、空いているフロアにとにかく観客を入れたのです。
今朝の秋田魁新報によると、会場のお客さんは5,000人。会場に入れなかった人は2,000人と報道されていました。そんなにいたとはビックリです。会場に入れなかった人は体育館の外の休憩所にある大型モニターを見ていたようです。うちの母が朝の6時に会場に行った時にはすでに100人くらい並んでいて、試合前の1時間半前には入場制限がかかったようです。
地元の人も多かったけれど、県外の方も多かった。昨年の国体で秋田は福岡に負けましたし、インターハイでは準決勝で福岡第一、決勝で福岡大附大濠と対戦して接戦を制しているから、皆さんの関心も高かったのではないでしょうか。これだけの人がいるわけですから、応援は地響きのようで体育館が揺れていました。満員なうえに地響きがあっては、撮影をしている私は全然身動きがとれませんでした。
工業は大会ごとに伸びていて、最後まで走れたのが勝因ではないでしょうか。地元でここまで盛り上がった国体を撮ることができて、私も能代市民として本当にうれしく誇りに思います。改めて能代はバスケの街ということを実感し、工業は地元の応援に支えられているチームだと思いました。秋田県チームの皆さん、関係者の皆さん、能代工業バスケットボール部の皆さん、本当におめでとうございます」
……
秋田にいなければ、今この時期に国体が行なわれていたことなど知らない人も多いだろう。国体にかぎらず、高校バスケの現場は、いつでも熱心な指導者の勉強があり、選手たちの成長があり、会場は熱気に包まれている。そして今回の国体では、地元に愛されるチーム作りの原点を見ることができた。
現在、bjリーグは地域密着を目指したチーム作りを行い、JBLも新リーグとなって地域密着に力を入れていくという。能代工のように伝統が地域密着を生む地域もあるが、地元に愛されるチームになるには、選手の顔とチームの特徴を覚えてもらう「能代カップ」のような披露の場を作ることであり、何よりもコートでのパフォーマンスが大切。コーチや選手たちの“勝負にかける魂”が観客を呼び、惹きつけるのだ。今の日本の中で、動員をかけずに7,000人もの人を集められるバスケットボールシーンが他にあるだろうか。能代市民は能代工の悪いところには、容赦なく“喝”を入れるし、いいところには惜しみない拍手を贈る。対戦相手の頑張りも素直にたたえる。そして何より、観客は能代工が勝つ瞬間を見たくて、会場に足を運ぶ。だからこそ、能代工は地元の応援のためにと、毎年手を抜くことができない。それが58回目の全国優勝につながった。
派手なショーアップもイベントもなかったけれど、地元の熱い応援と、観戦に来る人たちへの温かい受け入れ、そして地元の応援に応えるチームの姿。地域密着の原点が“バスケの街・能代”にある。





