2007.08.06

映画のような・・・大会ラストシーン

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■イランが他大陸に先駆けて北京行き一番乗り! (※中国とスペインを除き)

「イランが勝ったらまるで映画のようだ」

決勝前日、何人かのFIBA関係者に今大会の感想、そして翌日の決勝戦を予想するコメントをいただいた。その中で冗談交じりに出た言葉が上のもの。決勝戦は、韓国との激戦を制し、さらに2次リーグでイランを大差(82-60)で下しているレバノン優勢の見方が多かった。

そんな中で、たまたまFIBA会長のボブ・エルフィンストン氏にもコメントをいただくことができたのだが、この方だけが「もしかしたらイランが勝つかもしれない。クロスゲームになると思うけれど」という言葉を発していた(この方、1Qで差がついてしまったイラン対カザフの準決勝を最後まで真剣に見ていた。本当にバスケットボールが好きなのだと思う。あと韓国のHCも戦前からイランを高評価していた)。もちろんイランにはジュニア時代から育成された若い才能と高さ、何より組織的なディフェンス力があり、優勝するだけのポテンシャルはあった。

それでも「映画のよう」という言葉が出てくるのは、「これまでアジアの中位に位置し、世界大会にも出たことのないイランがオリンピックに出る時代になるのは、これまたビックリだ」という意味が含まれている。蓋を開けてみれば、そんなイランが優勝を手にし、60年ぶりのオリンピック出場権を手にしたのだ。


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イランの勝因はディフェンス。決勝前日、イランのトローマンHCは記者会見で「レバノンの#11ボーゲル、#15アルハティヴを抑えることが作戦」と宣言。この2人をマークすることはどこのチームもわかっていたことだが、わかっていながら誰も抑えることができなかった。

アルハティヴを抑えたのはイランのキャプテン#14ニックハ(200㎝、24歳)。執拗にマークし「カバーしきれない時はチームがヘルプしてくれた」とチームメイトを信じた。なおかつ、勝負所の得点でも貢献。イランは流れがレバノンに傾きかけても、リバウンドとこぼれ球を支配して、流れを渡さなかった(リバウンドのトータルはイラン47本、レバノン30本)。

そして、これこそ映画のようだったのが「彼のバスケ人生で一番いい出来だっただろう」とレバノン・ラッツアHCを言わしめた長身センター#15ハッダディ(218㎝、22歳)の31得点という活躍ぶり。前半終了間際にハーフラインから打ったシュートが入ってしまったその時から、この試合におけるツキを持っていたのかもしれない。レバノンは、準決・韓国戦での激闘ぶりも影響していただろうが、アルハティヴはイランの執拗なディフェンスの前にリズムが出なかったうえに、審判のジャッジとも戦ってしまった。エースが苦しんだレバノンに最後まで勝機は訪れなかった。74-69でイランがアジアを初制覇した。

北京行きを決めてウイニングランをするイラン選手たちと、失意の中でしばらくベンチから動くことはできなかったレバノンの選手たち。そのあまりに対照的な光景こそが、「映画のよう」な幕切れの大会でもあった。

「今日だけはこの勝利をじっくりと味わいたい。今後は国内にはまだ戦える選手がいるので何人かの変更はある。イランに帰って新しいプログラムを組み、北京オリンピックには十分に戦える準備をしたい」(イラン ・トローマンHC)

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アルハティヴは、試合後のベンチでも、記者会見でもずっと顔を覆っていた。最後には同じく会見に臨み、マッチアップした同士のニックハと健闘をたたえあっていたが、その胸中たるや、さぞや悔しかったことだろう…


■「世界予選」最後のチケットは韓国の手に!

世界予選の切符をかけた3位決定戦は韓国がカザフスタンに80-76で勝利した。

韓国は「体力温存を考えて」(チェ・プヨンHC)これまで組み合わせたことのない若手でスタートする思い切りのいい策を取った。そのため、出足で2-11とビハインドからゲームに入っている。「あとからベテランを投入すれば大丈夫だと思った」というチェ・プヨンHCの自信はその通りとなり、なかなか流れがつかめずに苦労した試合を、後半、キャリアある選手たちの踏ん張りで引き戻した。だが、この大舞台で最後まで粘れるようになった若いカザフスタンの実力も本物。ファウルゲームで最後は3点差まで追い上げたが、あと一歩及ばず。世界予選の切符は韓国が手にした。

「世界予選の切符を取れたことは良かった。世界予選ではヨーロッパの強豪と戦わなくてはならない。今の韓国の弱点は3Pの確率が低いこと。国内にはまだ高いシュート確率を持つ選手がいるので、そういった選手の選考をしながら、来年は今大会より強いチームを創りたい」(韓国チェ・ブヨンHC)

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表彰式にて。韓国のキャプテン、シン・ギソンとハ・スンジン。スンジンは、準決勝に負けた時点では世界予選の存在を知らなかったとか? 「昨日はもうオリンピックのチャンスがなくなったと思ったので、あのような悔しがり方をした。だから今日は一生懸命やってオリンピックの可能性をつかみたかった」


Posted by yota at 22:49  FIBAアジア選手権