2007.08.03
日本の北京行きがなくなった長い1日〈1〉
日本の五輪出場の夢、断たれる

8/1(水)2次リーグ2戦目・運命の日韓戦。日本は韓国ガード陣の巧さと組織力バスケに翻弄されて完敗。点差は10点だが「相手が一枚上」(鈴木HC)という内容だった。日本は今大会を通してどうにもゲームが創れない。それはガード陣だけが悪いのではなく、ゲームプランが徹底できなかったチーム創りにも問題がある。
8/2(木)2次リーグ最終戦。これまで2敗を喫した日本だが、準決勝進出にはまだ望みがあった。それには「他力」と「自力」の両方が必要。「他力」は日本より先に行われる韓国対カザフスタン戦で、韓国が勝ってグループⅡ3勝で1位となること。そして「自力」は日本がヨルダン戦に勝ち、日本、ヨルダン、カザフが1勝3敗の3つ巴で得失点率に持ち込むこと。そのために日本はヨルダンに9点差以上つけて勝たなければならなかった。
台風5号が接近し、朝から暴風域に入った徳島。五輪切符に首の皮一枚の望みをつないでいたこの日は、アスティ徳島の中もまるで嵐のように怒涛の出来事が起こっては過ぎ去っていった。五輪切符を目指して最大のバトルとなった8/2の1日を追う。
………
■韓国がカザフに敗れる!
日本の命運を握る韓国対カザフ戦。日本にとっても韓国に運命を託した試合だったが、韓国にとっても負けられないゲームだった。すでにグループⅡで2勝しているとはいえ、カザフに7点差以上で負け、日本がヨルダンに負けると、韓国・カザフ・ヨルダンの2勝1敗で3巴となり、得失点率によって決勝トーナメント進出がなくなるからだ。逆ブロックから(2次リーグになって調子を上げてきた)レバノンが1位で上がってくることを考えても、韓国は全勝して1位で上がりたいところ。カザフとの真剣勝負がそこにはあった。
だが、この日の韓国は今ひとつ精彩を欠いていた。
韓国はスタメンに疲労のある#4ハ・スンジンではなく、この試合が2試合目となり何とか調子を取り戻したい#15キム・ミンスを起用。カザフはこれまでの日本戦、ヨルダン戦の出足と同じく3Pを連発して先行。さらにはオフェンスだけでなく、センター陣に対して執拗なまでのディフェンスで韓国を煽り、先手を取っていく。韓国は5試合目にしてはじめて追いかけていく形。
2Qになると日本の観客たちが韓国に対し「テーハミング」や「ディフェンス」コールで必死の応援を始める。その声はどんどん大きくなっていく。
ゲーム運びの巧い韓国のこと。「いつかは逆転するだろう」いや、「してくれ!」というのが会場にいた日本人たちの見方(願望)だったが、若いカザフは臆することなく、中あり、外ありとガンガン攻めていき、試合を通しながら成長していく。その姿は脅威ですらある。残り1分を切ってカザフが4点リード。何度も追いつき、逆転もした韓国だったが、最後は追いかける形で2点差に詰めたところでタイムアップ。75-73でカザフが勝利した。

↑グループ2位という結果になり、複雑な心境のような、割り切っているような、何とも言えない表情で記者会見に臨んだ韓国
この日30得点を上げた韓国の#8キム・ジュソンは「昨日は最終試合で22時過ぎに終わり、今日は15時過ぎの試合。選手たちに疲労があったと思う」とベストな状態で戦えなかったことを敗因としてあげた。日本戦終了時から1日と経たないうちに試合をした韓国は、確かに疲労が見えた。この時点で韓国は、日本が勝とうが負けようが、グループ2位が確定。
カザフは韓国に勝ったとはいえ、この段階では準決勝進出は決まっていない。日本がヨルダンに勝てば韓国との直接対決に制したことでグループ1位、ヨルダンが勝てば3位になる微妙な立場だ。だが、記者会見にてストレブコフHCは韓国に対し「準決勝進出おめでとうございます」と述べたあと「私たちが韓国に勝ったことは素晴らしいことで歴史的な日。日本対ヨルダン戦の結果を待ちたい」と、勝利を評価するコメントを発した。

↑試合ごとに成長のあとを見せる若いカザフスタン。記者会見では「自信」をつけた表情を見せた
カザフスタンにとって歴史的な日――。
旧ソ連の独立国家として、カザフスタンがアジア選手権に登場したのが95年のソウル大会。この時、韓国は中国に次ぐアジア2位でアトランタ五輪行きを決めているが、両者が対戦した2次リーグでは86-65で韓国が余裕の試合運びで勝っている。12年前は相手にもならなかった国が、いまやアジアの強豪たちを脅かす存在となった。アジアは今、近年台頭してきた中東だけでなく、強化が遅れていたカザフまでも、視野に入れなければならない時代になった。
(この後、石川専務理事の緊急記者会見、日本戦へとつづく)





