2007.05.29

折茂&桜井 レラカムイ入団秘話

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折茂&桜井選手のレラカムイ北海道の入団会見と、ミニトークショーの模様、第2弾。

世界選手権の映像とともに、折茂武彦、桜井良太の順で登場。2人がレラカムイ北海道の看板を前に登壇した時、震えが出た。入団発表取材のため、この目で移籍したことを確認するためにはるばる札幌まで来たというのに、2人の口から「レラカムイ」とか「北海道」という言葉が出てくるのが信じられなかった。でもここにいる2人は正真正銘、“レラカムイ北海道”の折茂武彦であり桜井良太なのだと。トークショーで秘話が明かされるたびに、だんだんと「本当なんだ」と思う自分がいた。

最初は折茂・桜井両名の挨拶から。

折茂 「このたびレラカムイ北海道に来ることになりました折茂です。前のチームには14年という長い間いたのですが、新たなチャレンジということでここに来ました。チームの勝利に貢献したいと思いますので、よろしくお願いします」

桜井 「僕も折茂さんと一緒で、バスケット選手としての可能性を考えた場合、レラカムイに来ることがいいと思って決めました。またヘッドコーチの東野さんと水澤さんの熱い呼びかけ、チームに来てほしいという熱い思いにひかれました。新チームなので勝ち負けでは難しい部分がありますが、応援よろしくお願いいたします」

次に高橋はるみ北海道知事から映像による歓迎の言葉があり、「北海道のために戦います宣言」の調印式に進む。東野HC、折茂、桜井両選手が調印。代表して折茂選手が宣言を読み上げる。

『北海道のために戦います宣言。私たちプロバスケットボールチーム・レラカムイ北海道は、北海道の一員として、道民の皆様に夢と楽しみを提供し、ホームタウンである北海道のために精一杯戦うことをここに宣言します』

続いては水澤社長司会のもとにミニトークショーの開始。水澤社長の声はアナウンスが本職のような、とてもキレイな声で聞きやすかったです。ここからは、ミニトークショーでの「移籍秘話」の部分をそのままお伝えします。

水澤社長 「折茂さんと桜井さんがレラカムイという私たちの新規チームに来ることになった経緯と秘話を暴露したいと思うのですが、東野ヘッドコーチいいですか?」

東野HC 「いいですね~」

水澤社長 「では、お2人にまず軽い質問から。北海道の印象はどうですか?」

折茂 「昨日まで広島で(日本代表の)合宿をしていて非常に暑かったんですが、北海道の空港に降りた瞬間、寒くてとてもビックリしました。これでは、北海道の真冬の寒さに耐えられるのか…わからないくらい寒かったです。ハイ(苦笑)」

桜井 「僕も寒いのは得意なほうじゃないので、たぶん雪が降る季節になったら、練習以外の時は、部屋でおとなしくしてることになりそうだなぁと思いました(笑)」

観客 (笑)

水澤社長 「北海道はおいしいものがたくさんあるんですけれど、楽しみにしている食べ物は何ですか?」

折茂 「やはり海の幸をたくさん食べたいなと思います」

桜井 「僕は甘いものが大好きなので、まずはソフトクリームを食べたいです」

観客 (笑)

水澤社長 「実はですね、桜井さんと初めて会った時に、若いのでお肉が好きかなーと思って、『今、ジンギスカンがブームなので、ジンギスカンはやっぱり地元よー』って口説いたのですが、あんまりいい反応じゃなかったんですよね。それで桜井さんがポソッと言ったのが、今の話で、『僕はそれもいいんですけど、北海道はソフトクリームがおいしいって聞いたんですよ』って言うんです(笑)」

観客 (爆笑)

水澤社長 「だから今日はソフトクリームをご馳走するという約束になっています(笑)」

桜井 「そうですね。お願いします(笑)」

水澤社長 「そろそろバスケットの話にいきたいのですが、東野コーチは選手として2人のどこに魅力を感じていますか?」


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「日本で一番、精神的、肉体的に素晴らしい2人を口説きに口説いた」と東野ヘッドコーチ


東野HC 「私はチームには核が必要だと思っていたんですね。中心になる選手が。精神的な中心と、肉体的な中心が必要だと思ってまして、それで日本で一番いい選手を選んでしまいました。日本で一番精神力が強いのは折茂選手。それはどこでわかるかといいますと、さっきもビデオにありましたが世界選手権で1位のスペインと対戦した時に立ち向かって2ケタ得点を取りました。また、すべての試合においても彼が一番得点を取りました。その姿を見て僕は震えましたね。今もこの場に2人が横にいることに感動して震えてますけど。彼は世界に対して戦う精神力がある。それで、社長と何度も東京に行って、口説きに口説いてそれでここに来てくれた。その決断に感謝しています。彼の精神的な部分はこのチームには心強い存在です。

桜井選手は冒頭の映像にもありましたが、ものすごく跳躍力、ジャンプ力があるんです。日本で一番速くて高く跳べる。高く跳べる人は他にもいるんですけれど、“速く”ジャンプして到達点にいける人はなかなかいない。彼は細身ですけれど、ドリブルも非常にうまくて空中で相手をかわすこともできる。我々は新規参入チームですけれど、2人が入ったことで、いろいろなことを試せると思います」

水澤社長 「私は東野HCがホレこんだお2人が、北海道に来ることがにわか信じられなかったのですが、お2人と東京で打ち合わせをして話をしていくうちに、2人の人柄にホレました。今では『レラカムイ北海道からバスケットを大きく変えていきたい』という私の気持ちをしっかりキャッチしていただいたと思っています。お2人はレラカムイからオファーを受けて、少しずつ気持ちの変化があったと思うのですが、オファーを受けた時からこの場に至るまで、途中どんな変化があったのか。今、どんな決意があるのか。時系列で話していただけますか。とりわけ折茂さんはご家族とのミーティングもあったと思いますので、そのあたりの秘話を話していただければ」


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「チームが勝つために何が必要か、経験を伝えていきたい」と折茂選手


折茂 「まず最初にお話をいただいた時に本当に悩みました。前のチームに14年という長い時間いたものですから、なかなか他のチームに移籍するのは難しいという思いがありましたし、前のチームも慣れ親しんで大好きなチームで、最初はそこでバスケットを続けるのがいいと思っていました」

水澤社長 「そこで、ご家族との話があったと思うんですけれど。そのあたりの話を……」

折茂 「家族からは『自分のバスケット人生ですから好きにしなさい』ということでした。今回も北海道に来るのに単身赴任なんですよ」

水澤社長 「息子さんの話がありましたよね」

折茂 「はい。僕には小学校3年生の息子がいるんですけれど、パパにお願いがひとつあると言われました。何? と聞いたら『北海道に行ってほしい』と。漠然と言われたので僕もビックリしてしまったんですけれど、ユニフォームが変わってもいいの?大丈夫なの?と聞いたら『大丈夫』だと。それで、『8年間生きてきて一番のお願いです』とも言われたんですよ。何で?と聞いたら……『(北海道で)おいしいものが食べたい』と。『特にラーメンが食べたい』と言われまして(笑)」

観客 (大爆笑)

折茂 「…ということだったので正直ビックリしたのですが、その辺から自分の中に変化が起きてきて、最終的にはいろいろな方に相談して決めたのですが、本当に自分では勇気を持った行動でした。トヨタでは14年間いて優勝も3回して数々のタイトルも取ったので、そういう意味では思い残すこと、やることがなくなったのかな。今回こういう新しいチームに来て、37歳で歳はとっていますけど、その辺は大丈夫です。ご心配なく。自分でもチャレンジしたくてここに来ました」

水澤社長 「桜井さんはこちらに来るまでの気持ちの変化は? 最初は『北海道に来るなんて考えられない』というような印象でしたが、気持ちの変化を教えてください」


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レラカムイでは本来のSGとともに、PGにも挑戦するという桜井選手。「プレイの幅を広げたい」


桜井 「そうですね、僕は折茂さんと違って2年間しかトヨタにいないので、それほど移籍に関して問題があるわけじゃないですけど、移籍をしてチームを変わるのはやっぱり環境が変わって大変なので悩みましたし、このまま(トヨタにいること)がいいのかなと思ったりもしました。でも前のチームでは自分のプレイをもっと試合に出したいという気持ちがありましたので、ここは移籍して、自分の力を試せるチームでやったほうが将来のためにいいんじゃないかというのが一番の理由でした」

水澤社長 「折茂さんは一児の父ですし、一度決めたら意志は固いし、東野HCと同期ということもあり、熱い友情があるので大丈夫だと思っていたのですが、心配だったのは桜井さん。私は頻繁にメールを送りました。それこそ、母のような温かい気持ちでメールを送りました。迷惑でしたか?」

桜井 「いえ、とてもありがたかったです(照れ笑い)」

水澤 「桜井さんはうちの娘とそんなに歳が変わらない男の子だったので、母の愛を送ったつもりですので、それが通じたかな。これは、あとで笑い話になるかな(笑)」


…その後、記者からの質問やファンに向けての言葉でミニトークショーはしめくくられ、ファンとの記念撮影に笑顔で応える2人でした。


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平日16時からの記者発表だったが、大勢の人が集まった


……………

この記者会見の最中、2人の顔をジーーーーッと見ていた。

わかったことは、2人とも移籍するにあたっては相当悩んだということ。でも、水澤社長と東野HCの熱意に心が傾き、最終的には「プレイヤーとして、自分の力を発揮できるに一番ふさわしい場所を求め、その場所としてレラカムイを自分の意志で選んだ」ということ。そして、北海道の地で戦う決意ができたということ。移籍に関しては不安がないといったらウソになるだろう。でも、その答えは実際にチームに合流して練習をして、試合をしながら見つけていくのだと思う。折茂選手の愛息・佑飛(ゆうひ)クンは、パパの心の奥底にあった迷いを、8歳なりのインスピレーションと言葉でうまく引き出してあげたんじゃないのかな。いやはや、子どもの発言というのは本当に驚かされる。

2人とも「僕らが来たからって簡単に勝てるものではない」と言う。前チームのトヨタ自動車に感謝の気持ちも忘れてはいない。それでも「新しいチームを自分たちで築き上げていくこと」に今はモチベーションがある。ゼロからチーム創りをするのはものすごくエネルギーがいることだが、レラカムイ北海道には、チームが躍進するために一番必要な“熱意”を感じることができる。魅力とは熱意から生まれるもの。レラカムイの一番の魅力を、秋からはコートで見せてもらいたい。

今後、2人の言葉は誌面を賑わすことだろう。私も取材した内容は全部紹介しきれていないので、いずれ、どこかで紹介していけたらと思う。でもまずは、2人の決意のほどを一刻も早くバスケットファンに伝えたくて、ミニトークショーの模様をここに紹介しました。


Posted by yota at 23:12  取材の現場日記