2007.03.15

「勝ちたかった」JOMOの優勝

IMG_1297.jpg

昨晩、JOMOサンフラワーズ3年ぶり11度目の優勝が決まった。
2連敗からの3連勝は、Wリーグ史上はじめてのこと。
なんだか、すごいものを見せてもらったファイナルだった。
第1戦、ぐんまアリーナに取材に行った日がたった一週間前とは、とても思えない。
それくらい、あの日のゲームの内容が遠い昔のことに感じるJOMOの変貌ぶりだった。

終わってみればこのファイナルは
「勝ちたい」JOMOと「勝てるんじゃないか」と臨んでいた富士通の差が、最後の最後に現れた。
富士通の選手たちも、そのことは認めていた。

「ここって時の踏ん張りがうちには足りなかった。
ファイナルはプレイうんぬんより、勝ちたいと思ったチームが勝つ」
JOMOでの優勝経験を持つ矢野良子は、誰よりもそのことを分かっていた。
だから、きちんと敗因を分析することができた。

若くて、時にまだ暴走することがあっても、
JOMOは紛れもなく「名門」――の意地を持つチームだった。
崖っぷちに立ったことが、ある意味、我に返ることができたきっかけにもなった。
だって、このままではあまりにも「JOMOらしくないじゃないか」――と。

プレイオフMVPは文句なしにシンこと大神雄子。
誰よりも「勝ちたい」思いを抱いていたJOMOの象徴。
そして、陰のMVPはケガから復帰し、富士通のエース・矢野良子を封じた川畑宏美。


シンを取材すると――いつも出てくる言葉がある。
「マックさん、エースさん、サンさん……」

JOMOの、日本代表の、偉大な先輩である
浜口典子(マック)、大山妙子(エース)、楠田香穂里(サン)。
アテネ・オリンピックで、マック、エース、サンの3人がチームから退いたあと、
シンがチーム状況を語るときは、必ずといっていいほど3人の名前が用いられた。
さらには、自分のポジションである司令塔の話になると
「ひらりさんのパスとディフェンスを見習いたい」と、桜庭珠美の名前も出てくる。
かつての先輩たちの名前を出すことで、自分を追い込んでいるのか。
私には、先輩たちの存在がずっと“呪縛”になっているような気がしてならなかった。

「自分はマックさん、エースさん、サンさんと一緒にプレイできたことが財産。
あの時のような強いJOMOになりたい。JOMOはそうならなきゃいけないチーム。
自分は先輩たちとプレイできたことを、今の後輩たちに伝えていかなきゃいけない」

彼女たちが引退してからの2年間。JOMOは迷走していた。
「名門」の看板をどう背負うべきかわからなくて、悩んで、苦しんで、泣いて、走って…。
そして最近はこう言えるようになった。

「このメンバーで勝ちたい!」

優勝記者会見でもシンは言っていた。

「マックさん、エースさん、サンさんの3人が引退してからの2シーズンは世代交替と言われて、
それを受け止めたくない自分がいて、でも受け止めてやってきた。
この15人でやれたのが自信になった。やれる証明ができた」

これまでサンフラワーズの歴史を築いてきた偉大な先輩たちに、尊敬と感謝の念を忘れずに。
でも、先輩たちの名前を比較に出すことは、もう封印しよう。
これからは「自分たち」が「先輩たち」のチームを超えることを目指してほしい。

JOMOサンフラワーズ、優勝おめでとう!


………

大神雄子の「勝ちたい」思い 成長過程記事
2005年度JOMO
2006年度日本代表


Posted by yota at 10:23  取材の現場日記