2006.04.17

JBLスーパーリーグの変化

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 ちょっと時間が経ってしまったけれど、JBLスーパーリーグの回顧。写真は第3戦に勝ったあと、ファンサービスで応援席を回るトヨタの選手たち。

 トヨタが4年ぶり2回目の優勝。リーグで一番タフにディフェンスをし、一番走ったのだから、優勝は当然の成り行きだろう。ドイツのクラブチームで経験を積んだジョン・パトリック氏が2001-2002シーズン以来のヘッドコーチに復帰し、ドロン・パーキンズという得点力とディフェンス力を兼ね備えた選手をポイントガードに起用したことが、成功のカギとなった。加えて、絶大な得点力を誇る折茂武彦を6番手に回すという贅沢の極みのような采配も、折茂を“仕事人”という新たな境地へと導いたようで心憎かった。

 以前にパトリック氏がヘッドコーチをしていたボッシュと、今季のトヨタとではチーム作りも采配もまったく異なっている。ヘッドコーチというものはチーム作りにおいて何かしら哲学を持っていて、メンバーが変わってもその哲学を通すところがあったりするが、トヨタとボッシュではまったくといっていいほど戦うスタイルが違う。違いすぎる。ディフェンスを頑張ることだけは共通しているが。まあ、ボッシュはトヨタと違って地味なチームだったからね…(落として↓いるわけではありません。元ボッシュの番記者だったので胸張って言うけれど、ボッシュは熱い人たちの集まりでしたよ、ハイ)。

「ボッシュは技術もシュート力もなく、ガッツだけで戦っていたチーム。トヨタとはタレントもレベルも相当違う。それに、自分自身もあの頃から成長したと思う。トヨタではタレントを生かして、日本のバスケット界に革命を起こしたかった。だからこそ、皆がハードな練習をこなしたし、相当な努力をした。それだけは言える」(ジョン・パトリックHC)

 その“改革宣言”の象徴となり、優勝の原動力となったドロン・パーキンズは新人王こそならなかったものの、長谷川誠以来のルーキーでMVPを獲得。とにかく、今季は彼に振り回されたシーズンだった。各チームともドロンの「前線から激しく当たるディフェンスからどう逃れるか」、「アグレッシブな攻撃をどう抑えるか」から始まり、スーパーリーグは一人の若き才能の出現によって、その戦い方まで変えられてしまったのだ。

 でも待てよ。ドロン一人にこんなにやられていいのだろうか。

 そういえば、これまで来日する外国人選手といえばセンターやフォワードのポイントゲッターばかり。トム・クラインシュミットのように内外角オールラウンドにこなせる選手は例外中の例外で、だいたいは日本人が弱いインサイドの選手を補強している。過去にここまで強力な外国人PGがいただろうか。いや、ドロン・パーキンズがはじめてだろう。

 逸材が多く、JBLにおいて日本人が唯一テリトリーを守っていたPGというポジション。その不動の座はドロン・パーキンズの出現によって「PGに優秀な外国人選手を連れてきてもいいのだ!」という、今さらながら目からウロコのような事実に気付かされることになった。

 もちろんトヨタはドロン一人のチームではない。多くのメンバーをコートに立たせ、その選手が全力で走ってディフェンスをすることで、どのチームよりもタフな戦いをした。それゆえの優勝だ。だが、ドロンのプレイスタイルがスーパーリーグに衝撃を与えたのは誰もが認めるところ。

 現にOSGの中村総監督はファイナル終了後の記者会見で「外国人のいいPGが来たら荒らされることになる。今後獲得する外国人選手はセンターがいいのか、PGがいいのか考えたい」とまで言い切った。NBAも目をつけているというドロン・パーキンズの去就(!?)は気になるところだ。


Posted by yota at 23:08  取材の現場日記