2005.09.11

日本航空、大激戦の開幕戦を制す!

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 8日に続き、9日の代々木第2体育館では、今シーズンを占う上で興味深いJAL×富士通戦があった。両チームとも「いかにも開幕戦」という硬さが見られた内容だった。点がまったく入らない。3Q終わって富士通 37-34 JAL。 がっ! 4QにJALの司令塔・薮内夏美が退場してからゲームが一気に動き出した。4Qだけ見れば、富士通 18-23 JALというスコア。もうJALが入れるわ、富士通が返すわ、両方でターンオーバーを続出するわ…。とにかく、両チームとも必死な気持ちだけは伝わってきた。終盤、JALの柳本と矢代が仕事をして、大激戦に終止符。57-55。見応えがあったが、終わった時はドッと疲れた試合だった(苦笑)。シャンソンvsJOMOに引き続き、開幕戦におけるチーム分析を。

■JAL アクシデントにチーム一丸。必死に粘って勝利をモノに

 記者会見に表れた林ヘッドコーチは、「まず皆さんにお詫びします。皆さんが思っているJALのチームと違って本当に申し訳ありませんでした」と頭を下げたが、その言葉とは裏腹に、顔はにこやかだった。そりゃ、そうだろう。負けを覚悟したゲームで勝ち星を拾ったのだから。

 かかとの故障で出場が危ぶまれていた薮内夏美の出場はどうなるのかと思ったが、ナツはしっかりスタメンとしてコートに立っていた。でも、パスこそさばくが、自分で切れこんでいったりすることはない。ナツがどこか無理している動きなので、チーム全体の動きも硬い。それでも、コートにナツがいるのといないのでは全然違うんだろうな。

 4Qに7分を残してナツが足の痛みから退場した時はルーキーの伊佐樹里が登場。伊佐は何とかつないたがレイアップを1本ミス。すると、今度はトライアウトで入団した井上望がPGとしてコートに立った。2人とも小さなミスはあったものの、大打撃のミスはナシ。だが、コートの上では顔面蒼白ぎみだった。ルーキーで、開幕戦という大舞台で、しかも大接戦の場面でいきなり出されればそれもしかたない。でもこの試合を乗り切ったのは大きい。ナツが故障持ちであることを考えると、今後も出番は増えそうだし。

 それにしても、ナツが抜けてからのJALは「ナツの分も!」とか「新人をカバーしなきゃ!」とか、そんな感じでチームが結束した。終盤の怒濤の攻めは矢代や柳本ら、上級生の意地だったと思う。「後半はナツさんがいなくなって、最後は吹っ切れて、形はどうであれ勝ったのは良かった」(柳本)。これ率直な感想だと思う。

 そして、一番私が驚いたのは林ヘッドコーチのコメント。「堀部、畑岸が抜けたけど、今年はスピードが出ればと思っていたが、2人がいなくなってこんなにも心理的なものが大きいとは。私もはじめての経験です」
 御年72歳になられる林先生にもはじめての経験があったなんて。バスケットとは奥深い…!
 
■富士通 得点伸びずに逆転負け

 富士通の55点での敗戦は予想外! 今シーズンはJOMOから移籍した矢野良子に、船引かおり、船引まゆみ、佐藤ひとみ、三谷藍らのスタメンがどこからでも得点が取れる強みがあった。この布陣はセンター不在ながらもオールアウトの攻めができるし、矢野と三谷がインサイドで攻めることもできる。また控えには畑、今、小堺らが待ち構えており、層は厚い。実際、サマーキャンプで大勝したシャンソン戦を見たけれど、オフェンスが当たった時の富士通は手のつけようがないという印象だった。

 とにかく、センター不在の今シーズンは、チームのモットーにもあるように「やられたらやり返せ」のバスケットを目指している。実はこれ、中川ヘッドコーチが以前日本代表の監督をやっていた時から常々言っていた言葉。小さいチームはどうしても、守っても攻められてしまうところがあるから、やり返すタフさがないと世界では通用しないことから、よく言っていた。また「自在に攻めろ」という意味も含まれているようだ。

 というように、今年の富士通には期待していたのだが、開幕戦は本当に硬かった。イージーミスが多いうえに、チームとしてシュートチャンスが少ないので点が伸びない。その例が顕著に現れたのが、移籍後初の試合となる矢野良子だった。気負いもあったと思うが、脚が止まった中では攻めるリズムが作れなかった。またリバウンドもJALの52本に対し、38本と差をつけられたのも響いた。

 いきなりウィークポイントが出た開幕戦だったが、キャプテンの船引まゆみは記者会見の席で冷静に試合を分析して、要点をまとめて話していたのが印象的だった。「初戦を落としたのは悔しいけど、いろいろな課題が見つかったのでそこを直していきたい」と気持ちを切り替えていた。

「ハイスコアのゲーケをしたいと思っていたが、相手も脚が強くてこっちの速い攻めができずに狙っていたバスケットができなかった。55点しか取れないということは、相手のディフェンスがいいということもあるが、シュートチャンスに持っていけてないということ。もうちょっとゴールと戦う気持ちがほしい。JALのように若返ったチームに負けてはいけない。うちはほとんど変わりがないのだから」(中川ヘッドコーチ)

 とにかく、リーグは始まったばかり。今シーズンは4回戦の長丁場だし、間には東アジア大会も入る。何が起こるかわからない長いシーズンが始まった。


Posted by yota at 01:29  取材の現場日記