月刊バスケットボール6月号

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2021.07.19

日本代表最新情報をリッキー・ルビオは知っていた

 東京オリンピックで男子日本代表が最初に対戦するスペイン代表のウォームアップシリーズは、7月3日と5日に国内でイラン代表と2試合を行い、その後フランス代表とホーム&アウェイで1試合ずつをこなし、さらにアメリカのラスベガスに飛んで現地時間18日(日本時間19日)にアメリカ代表と対戦するという準備経過をたどった。

 

 この最終戦(76-83で敗戦)を終えた後の会見で、リッキー・ルビオに日本代表に関することを聞いてみた。何しろ、日本代表との初戦はこの時点からちょうど1週間後に迫っている。質問は、「現在の日本代表について何を知っていますか?」という直球ズドンだ。

 

 ルビオは快く答えてくれた。「NBAプレーヤーが二人いることは知っています。それと、今日フランスに勝ったと思いますが…」

 

ルビオが日本代表とフランス代表の試合結果をこんなに早く知っていたとは思わなかった(写真をクリックするとインタビュー映像が見られます 写真/©USABasketball)

 

 前半部分は当然、八村 塁(ワシントン・ウィザーズ)と渡邊雄太(トロント・ラプターズ)のことだ。特に渡邊については、ヘッドコーチのセルジオ・スカリオロ氏がラプターズのアシスタントで、マルク・ガソルもメンフィス・グリズリーズ時代のチームメイトであることから、相当深く情報が伝わっていてもまったく不思議ではない。

 

 しかしフランス代表に勝ったことを知っていたのは少しだけ意外だった。このQ&Aは日本時間の19日正午頃。日本代表がフランス代表を倒してから20時間程度過ぎていたので、知っていて不自然ではないのだが、FIBA世界ランキングではグンと格下になる日本代表の情報を、いち早く耳に入れていたのか。ルビオはさらに、「我々には日本で指導しているコーチも何人かいますから、映像を見て話していくつもりです」と続けた。

 

 ラスベガスで行われた一連のアメリカ代表のウォームアップ活動をズーム会見で取材させてもらった中で、この手の質問に対してたびたび聞かれた回答は、「我々は自分たち自身の調整に躍起で、他チームについては気にしていません」というものだ。女子アメリカ代表のプレーヤーや関係者は、一般論として日本代表の特徴を語ってくれたが、それは伝統的なものだったり過去の対戦経験からのものだった(もちろんそれでも非常におもしろく、貴重な情報だ)。


ルビオも確かに「この準備期間は我々自身についてのものでしたから、知っているのは少しだけです」とは答えた。しかし、日本にいる仲間に情報を聞き、「これからは本当に研究していかないといけません」と話すのを聞くと、フランス代表に勝った日本代表に対する警戒レベルが上がったと感じる。
ルビオは締めくくりに、「やはり初戦は特別ですから。オリンピックのような短期決戦では、最初に良い入り方をするのはとても大切なことです。もちろんNBAの二人はよく知っていますよ。でもほかのメンバーがどうなのか、重要ですよね」と話した。英文での回答は以下のようなものだった。

 

I mean I know a couple of their guys play in the NBA and I think they beat France today, so….
We have a couple coaches who coach in Japan. We are gonna be ready soon to watch film and talk about them. But this preparation was about us getting ready to get there. So we know a little bit. But now it’s time to really know about them. Because it’s gonna be the first game. I always…, the first game is special in a short tournament like it is. It’s very important to start in the right way. Off course the couple guys who are in the NBA, we know them very well. But it’s about the other guys as well.



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