月刊バスケットボール6月号

バスケ男子日本代表、格上ハンガリーに快勝

渡邊雄太は25得点、7リバウンド、4アシストを記録した(写真/©JBA)

 

田中大貴、渡邊雄太がキャプテンらしい活躍

 

 東京オリンピックのバスケットボール競技(5人制)に臨む男子日本代表のウォームアップとなる日本生命カップ 2021(沖縄大会/埼玉大会)が、7月7日に開幕した。沖縄アリーナでの初戦は、7月5日に発表された最終内定メンバー中の国内組9人に渡邊雄太(トロント・ラプターズ)を加えた10人が登録され、FIBAランキング上では38位と格上のハンガリー代表を相手に日本代表(同42位)が79-58で快勝を収めた。


日本代表のフリオ・ラマスHCはこの試合のスターターとして田中大貴(アルバルク東京)、比江島 慎(宇都宮ブレックス)、エドワーズ ギャビン(千葉ジェッツ)、シェーファーアヴィ幸樹(シーホース三河)、そして渡邊の5人を起用。対するハンガリー代表はべネデック・ヴァルディ(PG)、ダヴィド・ヴォイヴォダ(SG)、ノベルトゥ・ルカッチュ(SF)、ロスコ・アレン(PF)、アコシュ・ケレール(C)の5人。このうちアレンは2020-21シーズンに新潟アルビレックスBBで活躍した、Bリーグファンにはおなじみのプレーヤーだ。


ハンガリー代表スターターの平均身長は201.8cmあったが、日本代表も東野智弥技術委員長が会見で話していた「スターターで200cm以上」の構想を実現する“大台”の200.2cm。高さとフィジカル面で互角の5人は、渡邊と田中の両キャプテンを中心にティップオフ直後からペースをつかんでいった。


渡邊は開始20秒の先制3Pショットを皮切りに、約5分で10得点、3リバウンドを記録。田中は渡邊の先制弾に続いてスティールからのカウンターでレイアップを沈めたほか、渡邊の10点目へのアシストも記録している。その間に日本は14-2と快走。1本返された後も、さらに田中がフリースローラインやや後方からミドルジャンパーを決め16-4と好調に飛ばした。第1Qには勢いが止まることはなく21-7とリードを広げて終わる。


第2Q、富樫勇樹(千葉ジェッツ)、金丸晃輔(シーホース三河)、渡邊飛勇(琉球ゴールデンキングス)、張本天傑(名古屋ダイヤモンドドルフィンズと比江島の5人でスタートした日本代表は、立ち上がりでハーフコートの2-3ゾーンディフェンスを敷いていた。第1Q終了間際に渡邉を投入したところから継続したディフェンスだ。フットワークのいい富樫と比江島が高い位置で激しく動き回り、ゴール下に207cmの渡邉、コーナーへの対応に金丸と張本というこのディフェンスはハンガリー代表が慣れて2本連続して決めるまでの約2分間失点を止めた。


その後ハンガリーにやや流れを持っていかれそうになる時間帯もあったが、中盤以降ベンドラメ礼生(サンロッカーズ渋谷)、張本の3Pショットが良いところで決まり、ハーフタイムまで流れを渡さずに乗り切っていくことができた。

 

次ページに続く(リキャップ後半)



PICK UP