藤田 将弘氏(日体大男子監督)が語る 「オフェンスの考え方とオフェンスの組み立て方」とは?②
【スペシャルインタビュー②】
オフェンスと言っても、5人の選手が思うまま勝手に動いていても、確率の高いシュートは決めることはできない。バスケットボールのオフェンスをどのように考え、それを組み立てていくのかを整理していかないと、コーチも選手も頭を抱えるだけ。それでは一体、どのようなプロセスやルールでオフェンスを5人が実行していくのか…藤田氏に、オフェンス考え方や組み立て方、そして簡単なルールを用いたオフェンスなどについて聞いてみた。
オフェンスで重要なのは、5人が全ポジションでプレーできること
【ハーフコートオフェンスで得点できれば、チームが目標とする得点に近付きやすい】
※①の続き
――チームのオフェンスの目標値(得点)をどのように考えていますか?
「自分たちのチームがあるステージで『勝つために』ということを考えた場合、現在有する選手で1試合何点を取って、相手を何点で抑えられるかということを考えます。例えば、80得点するためには、誰をどのように使っていくのか、どのような展開をしていけば良いのかを分析する必要があります。これを描くことができないと、何をどのようにすれば良いのかが分からなくなってしまいます」
――対戦相手とのレベルが近いほど、ハーフコートオフェンスで得点できれば、目標としているチームの得点に近付きますよね?
「ハーフコートオフェンスは得点するための“チャンス作り”で、その結果が点数になるのです。1個のボールで1人の選手がシュートするので、そのシュート確率が何パーセントなのかということはオフェンスの組み立てる上で必要ですし、選手個人で考えなければならないのは、シュートタイミングだったり、シュートセレクションだったりします。ディフェンスの手が挙がっている所でシュートするよりも、誰もいない所でシュートした方がいいですからね。それに、リングに近い所でシュートした方が確率も高いです」
――さまざまなメリットやデメリットを考慮したとき、カテゴリーにかかわらず、アウトサイドの4人(4アウト1イン)というオフェンスは取り組みやすいですか? また、メリットやデメリットは何ですか?
「誰もいない空間がゴール下にある時間が長いという部分が最大のメリットだと思います。デメリットとしては、特にパターンオフェンスの場合ではディフェンスにプレーを読まれやすいので、対ディフェンスという練習が必要になってきます。 パッシングだからボールを回そうという意識になってしまうと、ボールが3Pラインの外側ばかりを動いていることになってしまい、ディフェンスが優位になります。そのため、3回に1回はインサイドにボールを入れる(センターに限らず)ことが大切になってきます。
そして、4アウト1インは誰もがインサイドでプレーできて、誰もがアウトサイドでプレーできるというのもメリットの1つです。これはアンダーカテゴリーには特に必要なことで、大きい選手がインサイド、小さい選手がアウトサイドという固定観念は捨てなければなりません。5人全員が全てのポジションに動けることが重要なのです」
――数多くあると思いますが、4アウト1インのオフェンスで導入しやすいものは何でしょうか?
「コーチングしやすい、選手が理解しやすいという点では、“フレックス”だと思っています。ディフェンスの読みを含めて、4アウト1インのモーションオフェンスとしては導入しやすいかもしれませんね」
※③へ続く
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