月刊バスケットボール6月号

NBA

2020.03.13

ついに選手が感染… 新型コロナウィルスの影響でNBAがシーズンの中断を発表

 中国、日本を中心に大きな影響を与えている新型コロナウィルス。その影響は遠く太平洋を越えたアメリカでも徐々に拡大し、オレゴン州やニューヨーク州でも感染者が続出。すでにアメリカ全体での感染者数(確認済の人数)は日本のそれを越えているという。

 

 NBAでも無観客試合が検討されるなど、本格的な対応策が成されるかというタイミングで衝撃的なニュースが飛び込んできた。3月12日のジャズ対サンダー戦前にジャズのオールスタービッグマン、ルディ・ゴベアから新型コロナウィルスの陽性反応が出たのだ。この事態を受けて、NBAは同試合と開始前だったキングス対ペリカンズ戦を延期し、レギュラーシーズンの中断を発表。

 

 ジャズと対戦予定だったサンダーのクリス・ポールがジャズベンチへ向かい「ルディはどうしたんだ?」と尋ねると、「こっちに近付くな!」と警告を受けたそうだ。幸い、その場にゴベアはいなかったため、会場での感染拡大の恐れは最低限避けられた。しかし、ジャズの関係者と直近10日間以内にジャズと対戦したチームの選手は、周囲の人々との接触を一定期間避けるように促されている。

 

 その後、ゴベアのチームメイトでジャズのスター選手であるドノバン・ミッチェルにも陽性反応が確認されるなど、今後も予断を許さない状況が続く。

 

 感染者の約8割が軽度の症状で完治するという数値が出ているとはいえ、いまだにワクチン等は出来上がっておらず、具体的な対応策がないというのが事実だ。NBAが即座に取ったリアクションはさすがと言えるが、少なくとも感染者が複数出ているジャズはしばらくの間、活動できないだろうし、どの段階でシーズンを再開できるかは不透明。最悪の場合このままシーズン終了の可能性もあるだろう。

 

 今季は1月末に起きたコービー・ブライアント(元レイカーズ)の死、NBA最長の22シーズンを過ごしたビンス・カーター(ホークス)のラストイヤーなど、NBAとしても一つの節目となるシーズンだけに、このまま終了してしまうのはあまりにも惜しい。

 

 今は感染者がこれ以上増えないこと、一刻も早い事態の収束を願いことしかできないだろう。

 

(月刊バスケットボール)

 



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