【関東大学女子選手権】白鷗大が東京医療保健大とのライバル対決を制して2年連続3度目の優勝
ベスト4は昨年大会と同じ4校に
5月5日、東京・日本体育大学世田谷キャンパスを舞台に第58回関東大学女子選手権大会最終日を迎え、決勝では白鷗大と東京医療保健大という近年の大学女子バスケを牽引するライバル同士が激突した。【写真9点】関東大学女子選手権決勝フォトギャラリーをチェック
予想外の結末もあった今大会、結局ベスト4に残ったのは昨年大会と同じ4校に。準決勝は白鷗大(前回優勝)が山梨学院大(前回4位)に74-63、東京医療保健大(前回2位)が筑波大(前回3位)に85-76で勝利し、決勝は3年連続の同カードとなった。昨年12月のインカレでは白鷗大が東京医療保健大の7連覇を阻止して7年ぶり2度目の優勝。しかしながら、両チームともに主力の4年生が卒業。新たな戦力を加えての戦いはどうなるか注目された。
試合は白鷗大#75佐藤多伽子の4ポイントプレーからスタート。すると、東京医療保健大は1年生#5絈野夏海が、#3イベ・エスター・チカンソにパスを要求し、左コーナーから3Pシュートを入れ返す。興味深い立ち上がりとなったが、このあと白鷗大のディフェンス強度が上がって相手にズレを作らせず。すると#13オコンクウォ スーザン アマカのインサイで、#20舘山萌菜がドライブから、#75佐藤が3Pシュートを射抜くなど4分弱で18-3のラン。27-11として1Qを終えた。
東京医療保健大のチーム初得点は1年生#5絈野夏海の3Pシュートだった
思わぬ立ち上がりとなった東京医療保健大だが、「大丈夫」「慌てない」とメンバーに声をかけていた日髙哲朗監督は「チャンスを作っていいシュートを打っていこう」と指示。1Qから早いオフェンスを仕掛けようとしていたが、2Q開始からはさらにテンポアップしてズレを作ると#91大脇晴がゴールにアタックし続けて得点源に。さらに#20島村きらら、#5絈野もアーリーオフェンスから得点を重ね、開始6分で27-34と7点差まで差を詰めた。「前半を1桁差で終われば、何とかいけると思っていました」と振り返った日髙監督だったが、このあと白鷗大は#13アマカを軸に得点し、42-30でハーフタイムを迎えることになった。
3Qは互いにいいシーンを見せる。差を詰めたい東京医療保健大は、#91大脇、#20島村が存在感を発揮。さらに差を詰めようとしたが、白鷗大はオフェンスがさらにいい状態に。東京医療保健大は#13アマカのインサイドでのプレーを防ごうとしたが、司令塔#5池田凜が積極的にドライブを仕掛けてディフェンスを引き付けると、パスが回るようになり、前半ファウルトラブルに陥ってリズムを掴めなかった#23高田栞里がステップアップし、連続して3Pシュートを沈めると、ドライブからも得点に繋げる。さらに#13アマカ、#11佐々木凛らも得点につなげたことで、72-54と18点差まで広げて4Qを迎えると、4Qに入っても東京医療保健大を調子の波に乗らせず。84-66で2年連続3度目の優勝を飾った。
白鷗大#23高田栞里は3Q爆発力を見せた
白鷗大の佐藤監督は「計画したことがよくやれたと思います。前半は特にファウル我慢でき、後半はボールムーブがよくなって外からのスリーも決まった。医療さんが計画していたディフェンスができなかったんじゃないかと思います」と振り返ると、3Qで爆発力をみせた#23高田について「元々そういう力がある選手です」と讃えた。
一方、東京医療保健大・日高監督は「試合経験がまだ少ないので、これから色々試合がありますし、このまま成長してくれればいいなと思っています」とコメント。今大会で特に成長したと語ったのが、4年生の#20島村だ。「本人はずっと努力していましたが、上級生2人がいたためプレイタイムが少なく、3年間我慢していました。一生懸命練習してきたことが、今大会で花開いたと思いますし、ゲーム経験を積んでいくことでさらなる成長が期待できるはずです」とこれからが楽しみだと期待を寄せた。昨年度の主力だった4年生7人が卒業したことでチームは様変わりとなった。白鷗大の佐藤監督はそのチームについて「今年の医療さんはスピード感があります。ガード2人が早いし、4番の選手もドライブできます。これまではピックプレーで足を止めてという感じでしたが、スピードを活かして何とかしようという感じでした」と変化について説明している。
新年度第1ラウンドは、白鷗大が変わらぬ強さを見せたが、今後どんな変化が起こるのか。注目である。
文・写真/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)