月刊バスケットボール6月号

Bリーグ

2024.03.31

「B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2024」琉球U15、横浜BC U15が決勝進出

琉球U15のエース#29宮里俊佑と横浜BC U15のエース#32渡辺聖(写真/©B.LEAGUE)

準決勝はいずれも熱戦に!


東京体育館(東京都渋谷区)で開催されている「B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2024」。大会4日目の3月30日には準決勝が行われた。
ベスト4に勝ち進んだのは琉球U15、静岡U15、SR渋谷U15、横浜BC U15の4チーム。昨年大会から引き続きベスト4に入ったのは横浜BC U15のみで、琉球U15は3連覇中だった名古屋D U15を、SR渋谷U15は同準優勝の福岡U15を準々決勝で、静岡U15は予選リーグで同4位の島根U15を破って勝ち上がった。

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準決勝1試合目は琉球U15と静岡U15の対戦。琉球U15は優勝した2021年大会以来のベスト4。静岡U15は決勝トーナメント自体が初出場となる。開始早々、#16仲本秀也の3Pシュートで先制、#54越圭司がドライブで続くなど、序盤から先行する琉球U15に対し、静岡U15は、#17小林千泰が積極的に攻撃を仕掛けるなどして、何とか付いていく。前半を20-31と2桁のリードを奪われたものの、琉球U15に大きな流れを作らせなかった。


積極的に攻撃を仕掛けた静岡U15#17小林千泰

後半に入ると琉球U15のエース#29宮里俊佑が3本の3Pシュートを決めるなど、3Qを終えて45-28と差を開く。静岡U15も#17小林、#10太田一平らの得点で応戦するも、得点差を詰めるには至らず61-46で琉球U15が勝利。決勝進出を決めた。
チームトップの20得点を挙げた#29宮里は「これまでチームに貢献できていなかったのですが、自分で背負いすぎの部分もあったので、今日は仲間を信じていこうと思っていました。考えすぎずにプレーできたのが良かったと思います」と振り返る。
「原点に立ち返って、全員バスケット、だれが出ても崩れないバスケットをしようと思っていました」と末広朋也HCは準決勝での戦い方を明かす。そして名古屋D U15で3連覇を果たした末広HCとしては4年連続の決勝、そして4連覇が懸かる決勝に向けて「今年度の最後の大会ですし、将来選手たちの記憶に残るものですから、自分がやりたいチャレンジをやってほしい」とあくまでも自然体で臨む。


琉球U15のエース#29宮里俊佑

一方、敗れた静岡U15の高村成寿HCは「一つ一つのプレーの精度の違いを感じました。シュートもそうですし、リバウンドにしてもその高さやボックスアウトの徹底といった差、またディフェンスの強度も強かったです。そうした積み重ねが、点数の差になったと思います。ですが、うちのクラブとして新しい歴史の1ページを作ってくれましたし、この舞台に立たせてくれた選手たちを誇りに思います。これで満足するのではなく、ここに来るのが当たり前になるように、今回得た経験をなくさないように、コーチングにも生かしていきたいです。選手たちはヘッドダウンしていませんし、明日の3位決定戦までしっかりと戦いです」と、静岡U15にとっては得るものの大きい躍進の大会となった。

続く2試合目SR渋谷U15と横浜BC U15の対戦は、Jr.ウインターカップ2023-24準々決勝からの再戦。Jr.ウインターカップ2023-24ではSR渋谷U15が67‐59で勝利しベスト4入りを果たしている。
試合は最初からデッドヒートの様相に。横浜BC U15はパワフルな#62小椎尾賢太、エースの#32渡辺聖を中心に攻め立てる。対するSR渋谷U15も#47山野井皓、#29岡部夏大らが入れ返し一歩も引かない。また、お互いハードなディフェンスを見せ、気持ちの現れたゲームとなった。2Qになると、横浜BC U15がベンチから出てきた#88大森来玖の連続得点などで一時リードを2桁差に広げる。しかし、SR渋谷U15も#21岸歩武、#11礒崎陽向が立て続けにバスケットカウントを決めるなどカムバックを見せ、30‐33と3点ビハインドまで押し返して前半を終えた。


中学1年生とは思えないプレーを見せたSR渋谷U15#47山野井皓

後半に入っても、横浜BC U15が流れをつかもうとすると、SR渋谷U15が粘る展開が続き、45-43と横浜BC U15の1ゴールリードで最終Qを迎えた。残り4分52秒。SR渋谷U15のビッグマン、#10田中麗斗が4ファウルとなると、すかさず横浜BC U15#62小椎尾がインサイドを攻め込む。さらに#32渡辺、#2平井謙太、#58高野陽らが続き、一気に流れをつかむと、SR渋谷U15の猛追を振り切った横浜BC U15が71‐63とJr.ウインターカップ2023-24のリベンジを果たした同時に決勝へとコマを進めた。
「Jr.ウインターカップからの我々の成長と、横浜BCさんの成長の差を肌で感じました」とSR渋谷U15の秋葉真司HC。「我々に対してリスペクトを持ってくれているのを感じましたし、うちの選手たちも覚悟を決めて、最後の最後までやり抜いてくれたことに対して誇りに思います」と選手たちの戦いぶりをたたえた。

横浜BC U15のエースでキャプテンの#32渡辺は「アップからみんな気持ちが上がっていて、逆にコーチからは上がりすぎて、チームルールやコンセプトを忘れないように気を付けようと言われていました」とこの一戦に懸けるチームの思いの強さを語った。京希健HCも「Jr.ウインターカップで負けてから、その敗因を追究して、練習してきたことが今日のゲームで生かせたと思います」と負けから得られた成長の大きさを実感したという。そして「末広コーチが琉球を見るようになり、やはりチームは変わったと思いますし、去年は末広コーチが率いた名古屋Dさんに準決勝で負けていますので、その負けのイメージを払拭できるように準備をして、初優勝をねらいたい」と決勝戦への意気込みを語った。



■3月30日(土)試合結果
[準決勝]
琉球 U15 61‐46 静岡 U15
SR渋谷 U15 63‐71 横浜BC U15

[9~12位決定戦]
佐賀 U15 68‐82 長崎 U15
越谷 U15 47‐67 東京Z U15
[5~8位決定戦]
名古屋D U15 92‐71 岩手 U15
福岡 U15 82‐73 福島 U15

●3月31日 試合予定
[5位決定戦]9:30〜
名古屋D U15‐福岡 U15
[3位決定戦]11:00〜
静岡 U15‐SR渋谷 U15
[決勝戦]12:30〜
琉球 U15‐横浜BC U15

文/飯田康二(月刊バスケットボール)、写真/©B.LEAGUE

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