月刊バスケットボール6月号

千葉ジェッツが天皇杯連覇。3P6本沈めた富樫勇樹がMVP

千葉ジェッツが大会連覇で今季2冠目


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16日、第99回天皇杯全日本バスケットボール選手権大会ファイナルがさいたまスーパーアリーナで開催された。前シーズのBリーグチャンピオンの琉球ゴールデンキングスと前回天皇杯優勝の千葉ジェッツによる2年連続の顔合わせとなった。


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直近の週末、310日にフィリピン・セブ島で開催された東アジアスーパーリーグ(EASL)ファイナル4でみごと優勝を遂げた千葉Jは、その勢いを天皇杯ファイナルに持ち込みたい一方で、ハードスケジュールによる疲れも懸念材料ではあった。対する琉球は昨年の天皇杯ファイナルでのリベンジを果たし、何として沖縄に天皇杯を持ち帰りたいところだ。


千葉Jはチームに合流して間もない#34クリストファー・スミスをスターターで器用。スミスは過去2シーズン千葉Jでプレーしていたが、今シーズンはオーストラリア・NBLでプレー。天皇杯ファイナルを前にチームに戻ってきた。そのスミスの3Pシュートで試合は幕を開ける。その後、琉球は#14岸本隆一の3Pシュートで応戦。また、両チームとも序盤から選手交代を多用し、ディフェンスの強度を保ちながら、激しい攻防を繰り広げる。琉球の#45ジャック・クーリーがインサイドを攻め込めば、千葉J #33ジョン・ムーニーがバケットボールカウントで奪い返す。千葉J#31原修太が2本目の3Pを決めれば、琉球の#10荒川颯が決め返し両者譲らず。1Q終盤に#2富樫勇樹が3Pシュートをしぶとく沈め、25-21と千葉Jが一歩先んじた。


2Q
に入ると千葉J#33ムーニー、#50アイラ・ブラウンが連続得点で勢いづく。さらに富樫が立て続けに3Pを沈め36-23と一気に2桁リードを奪う。琉球は残り6: 22#4ヴィック・ローがフリースローで加点するまで無得点と沈黙。その後、互いに点を取り合うが48-32と千葉Jがリードを保ったまま前半を終えた。ここまで千葉J3Pシュート7本(成功率38.9%)を決めたのに対し、琉球は3本(成功率21.4%)とシュート好調の千葉Jが試合の流れをつかんだ。


後半に入っても、千葉J#2富樫、#33ムーニーの両エースが加点、さらには#50ブラウン、#3小川麻斗が3Pシュート、そして#34スミスも続き、琉球ディフェンスに的を絞らせない。琉球も#14岸本を中心に巻き返しを図ろうとするものの、千葉Jディフェンスの前にその芽を摘まれ、みるみる点差を開けられてしまった。3Q終了して85-4936点差を付けた千葉Jが一気に試合の大勢を決めた。


「天皇杯を勝ちたいという、みんなのモチベーションがすごかったです。昨シーズンのチームとは違っていますが、それでも、昨シーズンのファイナルで負けたからか、選手たちが最初から、ジャンプボールのときから集中し、非常にフィジカルな相手に対して、ウチもタフに頑張ってくれた」と試合後にジョン・バトリックHCが話したが、#34スミス(26点)を筆頭に、#2富樫(20点)、#33ムーニー(17点)、#3小川(14点)、#10ゼイビア・クック(13点)と5人が2桁得点を記録し、3Pシュートでは#2富樫の6本を含む、チーム全体で21本(成功率56.8%)と圧倒した。また不利と見られていたリバウンドでも4937で琉球に優位に立ち、終わってみれば117-69と大差を付けて千葉J2年連続5回目の天皇杯制覇を果たした。





敗れた琉球の桶谷大HCは「ファーストショットで富樫選手、スミス選手に決められてしまったところからですね。警戒している選手たちに、簡単ではなかったと思いますが、(パスを)振られたり、スペースを詰められなかったりとしたところで3ポイントを決められて、個人的にも彼らは乗ったと思いますし、EASLで優勝してきている千葉さんなので、これいけると思わせてしまったと思います」と振り返る。エースの岸本は「ここをどうにかすれば違う結果になったというような試合ではありませんでした。今日、ここに駆け付けてくれたファンの方たちに対して申し訳ない」と悔しさをにじませた。

 MVPに選出された#2富樫は「EASLもありスケジュール的にはタフな部分もありましたが、優勝して帰ってこられたので、その勢いは大きかった」と振り返り、「チームとしてこういったゲームができたことは自信になるので、Bリーグの終盤戦も切り替えて臨みたい」と今シーズン3つ目のタイトル獲得へと照準を定めた。



[大会ベスト5]

富樫勇樹(MVP/千葉J

ジョン・ムーニー(千葉J

クリストファー・スミス(千葉J

岸本隆一(琉球)

比江島慎(宇都宮)



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