月刊バスケットボール6月号

Bリーグ

2024.03.13

【EASL Final Four】Bリーグのレベルアップをアジアに知らしめた千葉ジェッツの初優勝

アジアの強豪を破り千葉JがEASL王者に!

2016年9月、国内で二分していた2つのトップリーグ、NBLとbjリーグが統合されBリーグが開幕した。NBAに次ぐ世界2番目のリーグを目指すという壮大な目標を掲げて立ち上がったBリーグは、年を追うごとに盛り上がりを増し、ファンの拡大と共に、各クラブの経営力や選手の実力も確かなレベルアップを遂げていった。

それに伴い、日本代表もそれまで後れを取っていたアジア地区のライバルと徐々に戦えるようになり、ニック・ファジーカス、渡邊雄太、八村塁ら強力な戦力が加わった2019年には自力でのFIBAワールドカップ出場。続けて東京2020オリンピックも経験し、昨夏のワールドカップではアジア最上位を獲得したことで、パリオリンピックへの出場権を手にした。オリンピックへの自力出場は、実に48年ぶりのことだった。

昨夏のワールドカップが大きな追い風となり、かつてないほど勢いに乗っている日本バスケ界において、東アジアスーパーリーグ(EASL)での千葉ジェッツの優勝は、改めてその勢いを感じる出来事だった。

EASLのグループラウンドを6戦全勝で突破した千葉Jは、フィリピン・セブ島で行われたファイナル4の準決勝でニュータイペイキングス(台湾/P.LEAGUE +)を、決勝でソウルSKナイツ(韓国/KBL)をそれぞれ大接戦の末に下して、初の東アジアチャンピオンに輝いた。

MVPを獲得した富樫勇樹のハイパフォーマンスは2戦とも千葉Jの原動力となり、そんな富樫に会場に集まったファンは熱視線を向けた。ファイナル4に勝ち上がったほか3チームの選手たちも、準決勝前日の記者会見ではそろって富樫を警戒するコメントを残しているほど、今大会での富樫への注目度は高かった。



だが当然、千葉Jは富樫だけのチームではない。チーム最大のスターである富樫の脇には、リーグ屈指のビッグマンであるジョン・ムーニー、オーストラリア代表のゼイビア・クックス、日本代表の原修太、さらにはBリーグの若手の中でも屈指のポテンシャルを秘める小川麻斗や金近廉、大ベテランの西村文男や荒尾岳らも控えており、総合的に高いタレントレベルを誇っている。

富樫はB1のレギュラーシーズンとEASLの並行を過酷なスケジュールだと認めつつ、「若手が多い中でこういう経験を積めば積むほど(良いと思う)。2021-22シーズンにコロナの影響で15試合戦えなかったときは、最後にその差が出たと感じているので、僕の中ではプラスに捉えて戦っています。この2試合もしっかりとチームのレベルアップとともに、優勝を目指して戦いたいと思います」と準決勝前夜に意気込んでいた。

そして、優勝後には改めてEASLの経験がBリーグのシーズンにもプラスに作用すると強調した。

「Bリーグのシーズンとは別に、それとプラスして成長の機会があると僕は捉えています。僕にとって、EASLはほかのチームよりもむしろアドバンテージ。さらに、優勝という経験で若手もベテランも含めて、チームとして上のレベルにいけたと思います。リーグ戦はここから3月、4月と強豪チームとの対戦が続きますが、まずはしっかりとチャンピオンシップに出ること。CSに出てしまえば、どのチームにもチャンスがあります。ケガ人を出さずに完成度を上げながら、5月にピークを持ってこられるようにしたいです」


写真/©︎EASL、編集部 取材・文/堀内涼(月刊バスケットボール)

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