月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2017.10.14

【B.STARS Vol.4-②】比江島 慎(シーホース三河)

ファイナルのステージが最も似合う 得点嗅覚が冴えた点取り屋   シーホース三河#6/190cm/SG/1990年8月11日生まれ/青山学院大  

    「自分の判断ミス」 大接戦の末にファイナル進出を逃す    だが、華やかに開幕した昨シーズンのBリーグ、1万人を超えるファンが初優勝の瞬間を見届けようと会場の代々木第一体育館に駆け付けたファイナルの舞台に、比江島の姿はなかった。後に優勝するリンク栃木に、セミファイナル第3戦で敗れていたのだ。    その栃木とのチャンピオンシップ・セミファイナル、相手のホームコートに乗り込んだ三河は、第1戦こそ68‐83と大敗を喫したが、翌日の第2戦では65‐63と2点差の接戦を制しての勝利。勝敗を1勝1敗のタイにし同日に行われる第3戦へと持ち込んだが、その第3戦目は最後の最後に逆転負け。相手にスティールを許すパスミスなどを犯してしまった比江島は、「最後の最後で自分の判断ミス。悔しいです」と振り返りつつ、「最後に自分のミスで負けてしまったので、(来シーズン以降は)最後まで攻め切る気持ち、強いメンタルを持ってやっていきたいです。チームとしても全体の1位を取って、ホームコートアドバンテージが取れるように頑張りたいです」という決意も語っていた。    そして迎えた新シーズン。開幕の相手は奇しくも栃木で、しかも再び相手のホームコートに乗り込んでの戦い。それだけに開幕を控えた比江島は、「昨シーズン悔しい負け方をしたことは忘れていません。今シーズンは、開幕で早速リベンジマッチができるということなので、2連勝して2年目のスタートを切りたいと思っています」と、興奮を隠せなかった。(結果は1勝1敗)    その比江島が相手チームの中で注目していたのが田臥勇太だ。2年前のアジア選手権では日本を18年ぶりに4位へと導いたチームメイトではあるが、敵に回すと「すべての攻撃が田臥さんから始まっている」と、かなり厄介な相手だが、「しっかり田臥さんにプレッシャーをかけていきたいです」と意欲を燃やしていた。    そしてもう一つ、その栃木は今シーズンより青山学院大時代の恩師である長谷川健志ヘッドコーチが指揮を執る。何とも不思議な顔合わせに「敵にするのは初めて。自分のクセなどは研究されていると思うので、どういった対策をしてくるのか楽しみでもあります」と、こちらはワクワクしている様子だった。    またチームとしても変貌を遂げようとしている。「今シーズンは、速い展開のバスケットスタイルを目指しています。NBAでもゴールデンステイト・ウォリアーズのように速い展開が主流になっているので、そこを目指しています。僕自身もボールを持っていって、フリーなら積極的に打つようにと鈴木ヘッドコーチからも言われていますし、チームとして攻撃回数を増やして、チームにはもっと点を取ろうと。オフェンスに優れた選手がそろっているので、このスタイルは合っていると思うし、新しい“シーホーススタイル”で勝ちたいです」と比江島。    その新スタイルで、チャンピオンの座を狙う三河。その中で比江島がどのようにチームをけん引していくのか。昨シーズンからの悔しさを強く抱き続けているだけに、気迫のこもったプレイに期待したいところ。いずれにせよ、何よりファイナルのステージが似合う男・比江島慎は、スポットライトが当たる場所にいなくてはならないプレイヤーであることは確かだ。   (おわり)   ▼月刊バスケットボール編集部員が語る“比江島 慎”のここに注目!! https://sports.mb.softbank.jp/vod/player/14334  

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