月刊バスケットボール5月号

【記者の目】12/23ウインターカップ2016~1つ1つがラストゲーム~

高校3年生にとって、ウインターカップは負けてしまえばラストゲームという、一戦必勝のトーナメントだ。   本日行われた24試合では12チームが敗退し、そのチームの3年生たちは、ラストゲームを終えることとなった。   1Q10分、計40分間の中、東京体育館のコート上では選手それぞれの思いがぶつかり合う。接戦であろうと、点差が開いていようと、ベンチや応援席から鳴り響く声援を耳にするたびに、選手たちは表情を変えていく。   本日は、1回戦で佐賀清和に76‐48で勝利した山形商のストーリーを紹介したい。 キャプテンの④佐藤は、試合後、今回のウインターカップについて「自分たちは、メインコートに立つという目標をたてています。先生も最後ですし、自分たちも最後ですので、最高の結果で終われるように、皆で盛り上げて頑張ってきました」と語ってくれた。   佐藤の言う先生とは、山形商の高橋仁コーチのこと。同高で指導歴28年目(通算37年目)を迎える高橋コーチは、2011年に準優勝、07年と08年には3位、09年には4位と、全国でも堂々たる実績を残す名コーチの一人だが、その高橋コーチが今年度で定年となるため、今大会が最後の全国大会に。そのため、選手たち、そして高橋コーチも並々ならぬ思いで挑んでいるのだ。   今年を「ラストイヤー」と称し、「いつか負けるとは思いますが、自分が今まで教えてきたようなことを、できるだけ、山形商らしく、ベストゲームをやるだけです」と語る高橋コーチの言葉には、選手に対する想い、そして愛するバスケットボールに対する想いが存分に感じられた。   佐藤を中心としたオフェンスで勝利した山形商は、2回戦で松江商と戦うこととなった。試合は、明日24日(土)、14時からDコート(サブアリーナ)で行われる。  

(月刊バスケットボール編集部)

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